トゥルティエール♪起源からレシピまで解説【カナダ料理】

皆さんはトゥルティエールを知っていますか?

トゥルティエールはカナダを中心に食べられている伝統的なミートパイです。

肉とスパイスが混ざり合った、ほんのりとした甘さを感じる香り豊かさが魅力です。

今回はそんなトゥルティエールについて作り方から歴史まで紹介します!

ぜひ、最後までご覧ください!

目次

トゥルティエールはどんな料理?

トゥルティエールはどんな料理?

トゥルティエール(Tourtière)は、カナダ・ケベック州を中心に食べられている伝統的なミートパイです。

ひき肉をスパイスで味付けし、パイ生地で包んで焼き上げて作ります。

フランス系カナダ人の家庭で特に親しまれており、クリスマスや新年などの祝祭シーズンに欠かせない家庭料理として知られています。

そんなトゥルティエールは肉の旨味に、シナモンやクローブなどの温かみのあるスパイスが加わった、少し甘みを感じる香り豊かな味わいを楽しめます。

食感はしっとりしており、パイ生地のサクサク感との対比が魅力です。

日本人の感覚では「スパイスがほんのり香るミートパイ」という印象に近いです。

ケチャップやピクルスを添えて食べることもあります。

トゥルティエールはどうやって生まれたの?

フランスとのつながり

トゥールティエールはフランスからの移民によって伝わりました。

17世紀前半、フランスは北米に「ヌーベル・フランス」という植民地を築きます。

現在のケベック州やモントリオール周辺にあたります。

その時、フランス人たちは自国の料理文化をカナダに持ち込みました。

煮込みや保存食とともに持ち込まれたのが、パイ料理です。

その中の一つ、「tourte(トゥルト)」と呼ばれる肉入りパイがトゥルティエールの原型になったと考えられています。

フランスでは鳥肉や魚、野菜などを詰めて焼く料理で、祝いの席などに食べられていました。

しかし、カナダは非常に寒く、入植者たちは食料の長期保存が求められます。

そこでとった彼らの工夫がトゥルティエールの誕生につながります。

寒冷地での工夫

トゥルティエールの寒冷地での工夫

彼らは冬でも保存しやすい豚肉とジャガイモを使用するようになります。

これらの食材は脂や水分が少なく、食感が保たれる、酸化しづらいという特徴から重宝されました。

トゥルティエールの味付けの肝となるスパイス類も同じく、備蓄しやすいため使用されます。

そしてトゥルティエールはパイという調理法自体にもメリットが存在します。

パイは具材を生地で包んで焼き上げるのが定番ですよね。

その生地で包むという動作が、結果的に水分を減らしたりと保存性を高めるのに適していたのです。

こういった理由から、カナダの気候と生活様式に合わせた独自の肉パイが誕生しました。

現代のトゥルティエール

現在では、トゥルティエールはケベックの代表的な郷土料理として知らています。

カナダ全土のレストランや家庭でつくられ、派生形もたくさん生まれています。

特にケベック州では冬の保存食・祝祭料理として発展し、クリスマスイブや正月に家族で囲む伝統料理となります。

トゥルティエールは「ケベック文化の誇り」としてカナダ全土で愛されています。

トゥルティエールの豆知識と面白い話

名前の由来

「Tourtière」という名前は、もともとはパイを焼くための丸い金属製の型の名前だったといわれています。

のちに、その型で作る料理そのものが「トゥルティエール」と呼ばれるようになりました。

つまり、料理名よりも道具名が先にあったということで、珍しい例だと言われています。

昔は「鳥のパイ」だった

今でこそ豚肉が主流ですが、初期のトゥルティエールは鳥や魚の肉を使っていたと言われています。

今でこそ豚肉が主流ですが、初期のトゥルティエールは鳥や魚の肉を使っていたと言われています。

特にケベックの初期移民たちは「ツル(tourte)」という渡り鳥を具にしていたそうです。

この鳥は鶴とは違いリョコウバトの一種のことで、大量に生息しており、狩猟してパイにするのが一般的でした。

また、名前の由来もこの鳥(tourte)とパイ型(tourtière)が重なったものとも言われています。

クリスマスの“ごちそう”

ケベックでは、クリスマスイブに家族が集まって夜中まで食事をする習慣があります。

そのときに必ず登場するのがトゥルティエール。

まさに「ケベック版のクリスマスディナーの定番」です。

家ごとに“秘密のスパイス”がある

トゥルティエールには“秘密のスパイス”がある

伝統的なトゥルティエールでは、スパイスの配合が味の決め手。

基本はシナモン・クローブ・オールスパイスなどですが、家庭によっては「ナツメグ」「セージ」「マジョラム」などを加えるなど、“門外不出のレシピ”を持つ家も少なくありません。

“家庭の味”から“文化遺産”へ

トゥルティエールは単なる家庭料理にとどまらず、「食文化の象徴」や「郷土の誇り」として語られる存在です。

文化フェスティバルや料理コンテストでは「トゥルティエール部門」が設けられることもあります。

また、ケベックの一部では観光の目玉メニューとしてレストランでも提供されています。

トゥルティエールの作り方

材料(直径20cmほどのパイ皿1台分)

<パイ生地>

  • 薄力粉(または中力粉)… 250g
  • 無塩バター… 120g(冷やして角切り)
  • 冷水… 約60ml
  • 塩… 小さじ1/4

※市販の冷凍パイシートを使ってもOKです。

<具材>

  • 豚ひき肉… 300g
  • 牛ひき肉(または追加の豚肉)… 200g
  • 玉ねぎ… 1個(みじん切り)
  • じゃがいも… 中1個(すりおろす or みじん切り)
  • ニンニク… 1片(みじん切り)
  • 塩… 小さじ1
  • 黒こしょう… 小さじ1/2
  • シナモン… 小さじ1/4
  • クローブ(粉)… ひとつまみ
  • オールスパイス… 小さじ1/4
  • 水… 約100ml
  • パン粉(またはクラッカー粉)… 大さじ2(余分な水分を吸うため)

作り方

① パイ生地を作る

  1. ボウルに薄力粉と塩を入れ、冷たいバターを加える。
  2. 指先でバターを潰しながら、そぼろ状になるまで混ぜる。
  3. 冷水を少しずつ加え、生地がまとまるまで混ぜる。
  4. 2等分し、ラップで包んで冷蔵庫で30分以上休ませる。

② 肉の具を調理する

  1. フライパンに少量の油を熱し、玉ねぎとニンニクを炒める。
  2. ひき肉を加え、色が変わるまで炒める。
  3. じゃがいも・スパイス・塩こしょう・水を加え、弱火で10分ほど煮る。
  4. 水分がほどよく飛んだら、パン粉を加えて軽く混ぜる。
  5. 粗熱を取っておく。

③ 組み立てる

  1. 冷やしておいたパイ生地の半分を、パイ皿の底に敷く。
  2. 肉の具を平らに詰める。
  3. もう半分の生地を上にかぶせ、縁をフォークで押さえて密閉。
  4. 中央に小さく切り込みを入れて、蒸気の抜け道を作る。
  5. 表面に卵黄(分量外)を少し塗ると、焼き色がきれいになります。

④ 焼く

  • 予熱したオーブンで 190℃ 約40〜45分 焼きます。
  • 表面がこんがりきつね色になったら完成!

提供の仕方

  • 温かいうちにカットしてそのまま食べるのが基本。
  • ケチャップ、ピクルス、マスタードなどを添えてもよく合います。
  • 翌日以降は、冷蔵庫で保存してオーブンで温め直すと美味しさが戻ります。

ポイント

  • じゃがいもを入れると具がまとまりやすくなり、冷めても崩れにくいです。
  • スパイスの量はお好みで調整可能。控えめにすると日本人の口にもよく合います。
  • 生地が苦手な場合は、市販の冷凍パイシートで代用OKです。

まとめ

いかがでしたか?

今回はカナダの家庭料理から、トゥルティエールを紹介しました。

寒冷地での工夫や誇りが込められた無二のパイ料理でしたね。

我々日本人の口に合うものや本場カナダの味も味わえるため、スパイス次第で幅も広がる料理でもあります。

今回も当記事では作り方を解説しています。

これを参考にお家でもトゥルティエール作りに挑戦してみてください。

また、この料理を日本で提供しているお店はあるのか気になる方もいると思います。

結論から言うと、かなり珍しいようです。

トゥールティエールという名称のまま提供されていることはかなり珍しく、それに類似した料理が提供されることのほうが多いようです。

なので、自分でつくることがトゥルティエールを食べるための近道だと思います。

しかし、トゥルティエール自体は非常に魅力的な料理なので、ぜひ皆さんに食べていただきたいと思います。

きっととりこになること間違いなしです!

最後までご覧いただきありがとうございました!

よければ他の記事も見ていってください。

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