芳醇な香りの贅沢体験:トリュフパスタの世界

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豊かな香りをもつトリュフは、特別な存在。その風味を生かした料理の一つがトリュフパスタです。
一見シンプルですが、奥に深い魅力があります。

さて、今回はそんなトリュフパスタを紐解いていきましょう。

トリュフパスタのはじまり

トリュフパスタは、世界三大珍味のひとつである「トリュフ」と、イタリアの定番料理「パスタ」が組み合わさった、ぜいたくな一皿です。

トリュフは古代ローマの時代から「地中の宝物」として大切にされ、祝宴や特別な場で使われてきました。

一方、パスタが今のように広まったのは中世以降のことで、とくにトリュフが多く採れるイタリア北部の地域では、現地の料理人がトリュフとパスタを組み合わせるようになり、現在のようなトリュフパスタが生まれたと考えられています。

今では秋から冬にかけての「白トリュフ」の季節になると、世界中の高級レストランで楽しまれる定番メニューとなっています。

トリュフパスタのいろいろな種類

トリュフパスタには、使うトリュフの種類やソース、パスタの形によってさまざまなバリエーションがあります。

● 白トリュフのパスタ

白トリュフは香りがとても強くて繊細。火を通すと香りが飛んでしまうため、バターや卵黄のような軽いソースに合わせて、仕上げに薄くスライスしてトッピングするのが一般的です。

● 黒トリュフのクリームパスタ

黒トリュフは香りが穏やかで加熱にも強いため、チーズやクリームなど、濃厚なソースと相性が良いです。ソースの中に刻んで混ぜこむことで、深い味わいになります。

● トリュフオイルを使った簡単レシピ

生のトリュフが手に入りにくいときは、香りを閉じこめた「トリュフオイル」を使えば、家庭でも手軽にトリュフの風味を楽しめます。ただし、香料だけの安価なオイルも多いので、天然の香りを使った高品質なものを選ぶのがポイントです。

トリュフにまつわる豆知識

●なぜトリュフは高いの?

トリュフは自然の中でしか育たず、人工栽培がほとんどできません。さらに地中に隠れているため収穫もむずかしく、毎年の気候にも左右されます。
とくに白トリュフは希少で、1キロで数十万円をこえることもあります。

●トリュフ犬とトリュフ豚

かつては「トリュフ豚」が使われていましたが、見つけたトリュフをそのまま食べてしまうことが多く、現在では「トリュフ犬」が主流になっています。
犬はしつけがしやすく、トリュフを見つけても食べずに教えてくれるため、とても優秀なパートナーです。

●香りにはフェロモン効果も?

トリュフの香りには、アンドロステノンという人のフェロモンに近い成分がふくまれているとされます。
そのため、「魅惑の香り」「恋の香り」などとも言われ、感覚的に人をひきつける力があるとも考えられています。

●トリュフの保存方法に注意

トリュフはとても繊細な食材で、冷凍してしまうと香りが飛んでしまいやすいです。
生のトリュフを保存する場合は、湿気を防ぐために新聞紙でくるみ、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、なるべく早く使いきるのが理想です。

家でも作れる、シンプルなトリュフパスタレシピ

材料(2人分)

  • パスタ(タリアテッレやフェットチーネなど)…160g
  • バター…30g
  • パルミジャーノ・レッジャーノ(すりおろし)…大さじ2
  • トリュフオイル…小さじ1〜2(お好みで)
  • 生クリーム(あれば)…50ml
  • 塩・こしょう…適量
  • 黒トリュフ(あれば)…少量スライス

作り方

  1. 鍋にたっぷりのお湯をわかし、塩を入れてパスタをゆでます。
  2. フライパンにバターをとかし、ゆであがったパスタと少しのゆで汁を加えてまぜます。
  3. チーズを加えて全体をなじませ、必要なら生クリームを少し加えてもOK。
  4. 火を止めてトリュフオイルをまわしかけ、お皿に盛りつけます。
  5. 仕上げに黒トリュフをスライスしてのせ、こしょうをふれば完成です。

まとめ

トリュフパスタは、香りや味わいだけでなく、歴史や背景にも深みのある料理です。
ただの「高級グルメ」としてではなく、自然の恵みや文化を感じながら楽しめる一皿と言えるでしょう。

トリュフオイルを使えば、自宅でもかんたんに特別感のある料理が楽しめます。
ぜひ、大切な日やちょっと気分を変えたい日に、トリュフパスタを作ってみてはいかがでしょうか?

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