ブザラ♪歴史から簡単なレシピまで解説!【アドリア海沿岸料理】

Croatia

皆さんはブザラという料理を知っていますか?

ブザラはアドリア海沿岸で親しまれているシーフード料理です!

海の香りとオリーブオイルの豊かな風味が溶け合う、地中海らしい贅沢な味わいが魅力です!

今回はそんなブザラについてその起源や作り方について紹介していきます。

ぜひ最後までお楽しみください!

ブザラとは

ブザラ(Buzara)とは、エビやムール貝などの貝類を、オリーブオイル・白ワイン・ニンニク・トマト・ハーブなどと一緒に煮込んだシーフード料理です。

ブザラ(Buzara)とは、エビやムール貝などの貝類を、オリーブオイル・白ワイン・ニンニク・トマト・ハーブなどと一緒に煮込んだシーフード料理です。

クロアチアやモンテネグロ、スロベニアなどの沿岸地域で親しまれており、沿岸地域ならではの魚介の新鮮な旨味が最大の魅力です。

ブザラという名前は、クロアチア語で「煮込み」や「炒め煮」という意味を持っています。

ブザラは海の幸を活かした香り高く、滋味深いシーフード煮込みです。

そしてその味・風味にはいくつかの層があります。

味の軸は、「オリーブオイルのコク」「白ワインの酸味」「魚介のうま味」「ニンニクとハーブの香り」の四つ。

これらが一体となって、地中海特有のバランスの取れた味わいを作り出します。

まずはオリーブオイル。

まろやかで芳醇なコクを加え、全体を包み込むような柔らかさを出します。

つぎに白ワイン。

ほどよい酸味と華やかな香りが、魚介のうま味を引き立ててくれます。

スープにはエビや貝から出た天然の塩気と旨みが溶け込みます。

最後にニンニクとパセリを加えることによって、香りに奥行きを与え地中海らしい風味の核となります。

また、ブザラにはトマトを使う「赤いブジャラ(crvena buzara)」と、トマトを使わない「白いブジャラ(bijela buzara)」の2タイプがあります。

いずれもパンをスープに浸して食べるのが定番スタイルで、オリーブオイルの香りと魚介のだしの調和は秀逸です。

ブザラの歴史

ブザラは、アドリア海沿岸で古くから親しまれてきたシーフード料理です。

ブザラは、アドリア海沿岸で古くから親しまれてきたシーフード料理です。

その起源は、かつてヴェネツィア共和国が支配していた時代にさかのぼるといわれています。

交易や漁業が盛んだった当時、海上での調理や港町の食文化の中から、オリーブオイルと白ワインを使って魚介を煮込むというスタイルが生まれました。

「ブザラ」という言葉は、ヴェネツィア語で「大鍋」や「船上での煮込み料理」を意味するbuzzara(またはbusara)に由来するとされます。

一方で、「質素な材料を工夫しておいしく仕上げる」という意味合いから、漁師たちの知恵の料理とも言われています。

新鮮なエビや貝を限られた調味料で素早く煮込む、そんな漁師料理として発展したのがブザラの原点です。

その後、クロアチアのダルマチア地方やイストリア半島、スロベニアの沿岸などに広がり、各地で少しずつ異なるスタイルが生まれました。

トマトを加えた「赤いブザラ」や素材の味を生かした「白いブザラ」など、地域ごとに個性豊かなバリエーションが見られます。

現在では、ブザラはアドリア海沿岸を代表する郷土料理のひとつとして定着し、家庭料理から高級レストランまで幅広く楽しまれています。

海の恵みと地中海の伝統が息づく、素朴で奥深い一皿です。

ブザラの豆知識と面白い話

「ブザラ」は“調理法”だった

実は「ブザラ」という言葉は、特定の料理名というよりも“調理スタイル”を指します。

実は「ブザラ」という言葉は、特定の料理名というよりも“調理スタイル”を指します。

「ブザラ風に作る(na buzaru)」という言い方があり、ムール貝でもエビでも、同じようにオリーブオイルと白ワインで煮込めばそれは“ブザラ”なのです。

現地のレストランでも、「ムール貝のブザラ風(Dagnje na buzaru)」や「手長エビのブザラ風(Škampi na buzaru)」といった表記が一般的です。

語源についての二つの説

「ブザラ」という言葉の語源には諸説があります。

ひとつはヴェネツィア語のbuzzara(=ガレー船で使う大鍋)に由来するという説。

もうひとつは、イタリア語のbusaria(=ごまかし、まやかし)に由来するという説です。

後者は「漁師が高価な魚を売り、残りの端材を安い材料で“ごまかして”調理した」という民間の言い伝えにもつながっています。

「赤」と「白」のブザラ

ブザラにはトマトを使う赤いブザラ(crvena buzara)と、使わない白いブザラ(bijela buzara)があります。

赤はトマトの酸味とコクが特徴で、イタリア料理の影響を感じさせる味。

一方の白は、素材のうま味をそのまま生かした上品な仕上がりで、よりクロアチア沿岸の素朴な味に近いといわれています。

パンは“必需品”!

ブザラを食べるとき、現地ではほぼ必ずパンを添えるのが定番です。

ブザラを食べるとき、現地ではほぼ必ずパンを添えるのが定番です。

スープ状のソースにパンを浸して食べるのが最高の楽しみ方で、「ブザラはパンなしでは完成しない」とまで言われるほどです。

観光客にも人気の食べ方で、レストランでは自家製の白パンがよく添えられます。

シーフード以外の“変わり種ブザラ”

ブザラ=魚介というイメージが強いですが、実はキノコや野菜をブザラ風に煮込む料理もあります。

特に内陸部では、山で採れたポルチーニなどを使った「きのこのブザラ風」が家庭料理として知られています。

このように、ブザラは海沿いだけでなく「地中海式の煮込み法」そのものとして受け継がれているのです。

ブザラの作り方

ここでは「白いブザラ(bijela buzara)」の作り方をベースにしています。

トマトを加えると「赤いブザラ(crvena buzara)」になります。

材料(2〜3人分)

  • エビ(殻付き・手長エビなど)・・・500g
  • オリーブオイル・・・大さじ3〜4
  • ニンニク・・・2〜3片(みじん切り)
  • 白ワイン・・・100ml
  • パン粉・・・大さじ2(ソースのとろみ用)
  • パセリ・・・大さじ1(みじん切り)
  • 塩・・・少々
  • 黒こしょう・・・少々
  • レモン汁・・・適量

※赤いブザラにしたい場合は、
 ・トマト(完熟またはホールトマト)・・・1個分 または 大さじ3〜4
 を加えます。

作り方

  1. 下準備
    エビは洗って水気を拭き取り、殻つきのまま背ワタを取ります。
    ニンニクとパセリはみじん切りにします。
  2. 炒める
    鍋または深めのフライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニクを軽く炒めて香りを出します。
    焦がさないように中火で。
  3. エビを加える
    エビを入れて全体に油をなじませ、軽く色が変わるまで炒めます。
  4. 白ワインで煮込む
    白ワインを加えてアルコールを飛ばし、弱火にして5〜10分ほど煮込みます。
    エビから出るうま味がスープに溶けていきます。
  5. 仕上げ
    パン粉を加えて軽くとろみをつけ、塩・こしょうで味を整えます。
    火を止めたらパセリとレモン汁を加えて混ぜます。
  6. 盛りつけ
    熱いうちに皿に盛りつけ、ソースをパンに浸しながらいただきます。

赤いブザラを作る場合

手順③のあと、トマトを加えて炒め合わせ、白ワインを注いで煮込むだけでOKです。

トマトの酸味が加わり、より濃厚で地中海的な風味になります。

料理のコツ

  • ワインは辛口の白(例:ピノ・グリやシャルドネなど)がよく合います。
  • エビの代わりにムール貝やアサリでも同じレシピで作れます。
  • パン粉は入れすぎないようにし、軽くとろみがつく程度に。

まとめ

いかがでしたか?

今回はアドリア海沿岸で親しまれているシーフード料理、ブザラについてご紹介しました!

地中海らしい風味のよく出た料理で、シーフードが好きな方や異国の風味を味わいたい方などには特におすすめできる料理です。

また、赤と白のブザラをはじめ、陸海問わず様々なバリエーションを楽しめるのも良いところですね。

さて、そんなブザラを日本国内で食べれるお店などについてですが、あまり多くはないようです。

知名度があまり高くないため、メニューに表記されないこともあるとか。

また、ワイン蒸しやアヒージョ、トマト煮込みなどの別の呼び方もされることもあるようです。

地中海料理店やシーフードレストランでブザラと似た特徴を持つ料理を探すしかないかもしれません。

それはちょっと大変なので、上で紹介したレシピでつくることもお勧めします。

難しいことはなく、材料も身近であるため、お家でいつでも異国の風味を味わえると思います。

そして、ブザラは赤・白をはじめ、種類も豊富なので、自分の好みを探すのもきっと楽しいと思います。

ぜひ挑戦して味わってみてください!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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