皆さんはジャークチキンを食べたことがありますか?
カリブ海のジャマイカ発祥のその料理は香ばしくジューシーな味わいが魅力です!
今回はそんなジャマイカ文化を象徴する料理として親しまれているジャークチキンを紹介します!
ぜひ、最後までご覧ください!
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ジャークチキンとは

ジャークチキン(Jerk Chicken)は、カリブ海の国ジャマイカ発祥のスパイシーな焼き鳥料理です。
世界的にも人気の高い「カリブのソウルフード」として親しまれています。
「ジャーク(jerk)」とは、スパイスで味付けして焼く調理法のことを指します。
鶏肉のほかにも豚・魚・野菜にも使われる調理法です。
ジャークチキンは鶏肉を炭火でじっくり焼くことで、外は香ばしく中はジューシーな仕上がりになります。
そんなジャークチキンの風味は、スモーキーでスパイシーでハーブとの甘味も抜群です。
まずは炭火やドラム缶グリルによるスモーキーさです。
表面がカリッと焦げているのに中はジューシーで、バーベキュー的な満足感があります。
次にスパイシーさ。
ジャマイカ特有の唐辛子「スコッチボネット」が効いており、ピリッと強烈な辛さとフルーティーな香りが特徴です。
さらにハーブとスパイスによって、甘く温かみのある香りを作り出しています。
特にオールスパイスは、「シナモン+クローブ+ナツメグを足したような複雑な香り」で、ジャークチキンの“魂”ともいえる存在です。
最後にライムや酢による酸味のキレがあります。
スパイスの中にさっぱりした酸味があり、これが肉の脂っこさを中和して、南国らしい軽快な後味に仕上げます。
ジャークチキンの歴史

ジャーク調理法の起源はカリブの先住民たちの時代に遡ります。
当時から肉を乾燥・燻す、香木を使うという調理技術は存在していました。
そして17世紀以降ジャマイカで活動したマルーン(逃亡奴隷)の技術と融合してことで発祥したといわれています。
マルーンたちは山地で武装して生活し、イノシシなどを狩猟する生活をしていました。
そこでは長期保存・害虫除け・風味付けのためにスパイスや燻煙で処理をしていました。
これが現在の「ジャーク風味」の原型になり、やがてマルーン料理として地域に定着します。
ジャークの特徴的調味はオールスパイスとスコッチボネットを中心に、タイム、ニンニク、玉ねぎ、ライムや酢、時に甘味を組み合わせたものです。
これらは島内で入手可能な香辛料と、アフリカ・先住民・ヨーロッパ系の食文化が混ざって成立しました。
20世紀前半〜中盤に観光業や都市化とともにジャーク料理は普及と商業化が進みます。
「ジャーク屋台」「ジャークセンター」が広まり、1930年代ごろからは観光客向けの露出も増えるようになります。
さらに移民と共に世界各地に広まっていったことも記録されています。
近年はジャーク調味料の瓶詰めやチェーン店化も進み、グローバル料理になりました。
ジャークチキンに関する雑学・面白いエピソード
「スコッチボネット」は世界でもトップクラスの辛さ

ジャークチキンの辛さの要であるスコッチボネットは、ハバネロと同系統の唐辛子です。
スコヴィル値(辛さの単位)は100,000〜350,000SHUといわれており、これは一般のタバスコの約30倍だそうです。
しかし、ただ辛いだけでなくフルーティーでトロピカルな香りがありことが特徴です。
このことから、他の唐辛子では再現が難しいとされています。
オールスパイスは“ジャマイカの宝”
ジャークの中心スパイス、オールスパイス(ピメント)は、実はジャマイカが世界で最大の生産国です。
“allspice”という名は「シナモン・クローブ・ナツメグを全部混ぜたような香り」に由来します。
現地では木も燃料に使われ、“pimento wood”で焼くことが本場の証とされます。
“炭火ドラム缶グリル”はジャマイカの象徴

ジャマイカの屋台では、ドラム缶を半分に切った即席グリルで焼くのが定番となっています。
この「ドラム缶グリル」は戦後の物資不足の時代に広まったもので、煙を閉じ込めて風味を高める構造になっています。
現地では、煙が立ちこめる屋台街が“食欲をそそる香りの通り”として知られています。
また、ドラム缶の煙が「ジャマイカの国香」とも言われることもあります。
レゲエとジャークは“同じリズム”
ジャマイカでは、レゲエ音楽とジャークチキンはセットの存在です。
屋台でスモークチキンを焼きながらボブ・マーリーを流すのが定番光景になっています。
ボブ・マーリーの歌詞にも「Jamaican spice」「smoke」といったワードが登場し、音楽と食が同じ文化の鼓動を刻んでいるといわれます。
チキン以外の“ジャーク”もある
実はお察しの方もいるかもしれませんが「ジャーク」は調理法の名前であって、肉の種類は問いません。
たとえば、
- ジャークポーク(Jerk Pork):本来はこちらが原型。
- ジャークフィッシュ:海沿いで人気の魚版。
- ジャークトーフ(Jerk Tofu):ベジタリアン向けアレンジ。
などのバリエーションが存在します。
ジャークチキンの作り方(日本向けアレンジ)
材料(2〜3人分)
鶏もも肉(骨付きまたは骨なし)… 約500g
玉ねぎ… 1/2個
にんにく… 2片
生姜… 1片
青ねぎ(または長ねぎ)… 2本
ライム果汁(またはレモン果汁)… 大さじ1
醤油… 大さじ1
サラダ油(またはオリーブオイル)… 大さじ1
砂糖(できれば黒糖)… 小さじ1
塩… 小さじ1
黒こしょう… 小さじ1/2
オールスパイス(なければシナモン+ナツメグ+クローブを1:1:1で代用)… 小さじ1
タイム(乾燥)… 小さじ1
チリペッパー(辛さはお好みで)… 小さじ1/2〜1
(お好みで)パプリカパウダー… 小さじ1
(お好みで)蜂蜜… 小さじ1(まろやかにしたい場合)
作り方
- マリネ液を作る
玉ねぎ・にんにく・生姜・青ねぎをみじん切り、またはミキサーでペースト状にする。
そこにライム果汁・醤油・油・砂糖・スパイス類を全て加え、よく混ぜる。 - 鶏肉を漬け込む
フォークで鶏肉の表面に数か所穴を開け、マリネ液にしっかり絡める。
冷蔵庫で**少なくとも2時間(理想は一晩)**寝かせる。 - 焼く(またはグリルする)
フライパン・魚焼きグリル・オーブン・炭火など、好みの方法で焼く。
中火でじっくり火を通し、表面がこんがり焦げるまで焼く。
(オーブンの場合:200℃で約25〜30分) - 仕上げ
焼き上がったら、上から少しライムを絞ると風味が引き立ちます。
ご飯(ライス&ピースなど)やサラダと一緒にどうぞ。
コツとアレンジ
- フライパンの場合:皮目から焼き始め、途中で蓋をして中まで火を通すとしっとり。
- 辛さ調整:チリを控えめにし、代わりにパプリカパウダーを加えると香ばしさアップ。
- マリネ液の再利用:加熱すればソースとして再利用可(必ず一度火を通す)。
食べ方の提案
- ライス&ピース(ココナッツミルクで炊いた豆ごはん)と相性抜群。
- トルティーヤやナンで挟んでジャークチキンラップ風にも。
- バーベキューのメインにもおすすめ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はジャマイカで愛される料理、ジャークチキンを紹介しました。
チキン以外にもポークやフィッシュなどのバリエーションがありました。
文化的背景も深く、そういった面でも魅力のある料理でしたね!
さて、日本でこのジャークチキンを食べれるお店についてですが、各地に存在するようです!
ジャマイカの料理を提供するお店をはじめ、過去にはあの牛丼チェーン店松屋での取り扱いもあったそうです!
より本場に近い味をお店では堪能することができます。
また、いつもの如く作り方も紹介させていただきました。
スパイスなど若干入手しずらいものがあるかもしれません。
そんな時は代替案などを参考に、ぜひ挑戦してみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
この記事を読んで一人でも多くの人がこの料理に興味を持っていただけたら嬉しいです。
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