皆さんはメルジメッキ・チョルバスを知っていますか?
メルジメッキ・チョルバスはトルコを中心に食べられているスープ料理です!
クリーミーで軽やかな食感が魅力で、温かい前菜として寒い季節を中心に重宝されています。
今回はそんなメルジメッキ・チョルバスについて、歴史から作り方までたっぷり紹介していきます!
ぜひ、最後までご覧ください♪
メルジメッキ・チョルバスって何?

「メルジメッキ・チョルバス(Mercimek Çorbası)」はトルコを中心に食べられているスープ料理のことです。
「Mercimek Çorbası」はトルコ語で「レンズ豆のスープ」という意味を持ちます。
主な材料は名前の通りレンズ豆をはじめ、タマネギやニンジン、ジャガイモなどです。
これらをトマトペーストと炒めてから煮込むのが一般的です。
根菜は煮込むと自然な甘さを出し香りづけもできるので、こういったスープ料理ではよく使われます。
メルジメッキ・チョルバスはクリーミーながら重くなく、軽やかな食感が魅力です。
クリームなど乳製品を使わずにこの質感が出せる点が一つの特徴でもあります。
味付けは比較的シンプルです。
しかし、トマトペーストのまろやかな酸味・甘み、玉ねぎ・にんじん・じゃがいもからくる自然な甘さ。
そしてクミンやコリアンダーなどの軽いスパイスが加わることで、どこか温かみのある風味に仕上がっています。
また、トルコ特有の仕上げとしてレモンを絞ったり、チリオイルや赤唐辛子フレークで辛み・香ばしさをプラスすることが定番です。
これにより「滑らか&優しい味わい」+「少しアクセント」のバランスが取れた風味を味わうことができます。
メルジメッキ・チョルバスの歴史

メルジメッキ・チョルバスの起源
この料理の起源は紀元前にまでさかのぼります。
主に使用されているレンズ豆は、現在のトルコの地域で古くから栽培・食用にされてきました。
遺跡からもレンズ豆を含んだ植物遺存体が見つかっており、この歴史を裏付けています。
そしてレンズ豆の栽培・食用化に伴い、ゆでる・煮て食べるという方法が早くに一般化しました。
つまり「豆を煮て食べる」文化は非常に古くからあったということです。
また、「食事のはじまりに温かいスープを」という習慣や、豆を煮て大量に調理・保存可能という点も、スープ化を後押ししたと考えられます。
ちなみにレンズ豆とは、マメ科ヒラマメ属の植物で小さくて平たい形状が特徴です。
名前もその見た目が凸レンズに見えることから来ています。
スープ料理の拡大
7世紀、イスラム圏に広がるとともに、スープは宗教的にも重要な位置につきます。
断食明け(イフタール)や貧者への施しの場面などで、消化がよく栄養豊富な豆スープが重宝されるようになったのです。
この伝統が受け継がれ、トルコでも「Çorba(チョルバ/スープ)」という言葉が広く定着しました。
オスマン帝国(14〜19世紀)では、スープが食事の最初に必ず出される格式ある料理となります。
宮廷料理(特にトプカプ宮殿)でも、豆を使ったスープが複数のレシピに登場。
庶民の間でも、豆は安価で栄養価が高く、兵士・修道院・市民食堂(イマレット)などの共同食の基本でした。
メルジメッキ・チョルバスの誕生

19~20世紀初頭に赤レンズ豆の栽培がおこなわれるようになります。
赤レンズ豆はレンズ豆の一種で、オレンジ〜赤色をしています。
形は同じですが、皮をむかれた状態で売られることが多く、火の通りが早いことが特徴です。
この赤レンズ豆の栽培とともに乾燥豆を煮てピューレ状にし、トマトペーストや香辛料で味付けする形が確立。
そして現代の「メルジメッキ・チョルバス」の原型となりました。
現在では、メルジメッキ・チョルバスはトルコの国民的スープとして親しまれています。
メルジメッキ・チョルバス
「トルコ人の朝はスープから」
トルコではスープ(Çorba)は朝食としても一般的で、特にメルジメッキ・チョルバスは「朝の定番」。
カフェや食堂では、朝7時ごろから大鍋で温められたチョルバをパンと一緒に提供しています。
胃にやさしく、消化が良いため、二日酔いの朝にもよく飲まれるというのも有名な話です。
パンと一緒に食べるのが正式

トルコ人に「スープだけで食べる」と言うと驚かれるほど、パン(エキメッキ)との組み合わせは基本です。
レストランでは、バスケットに山盛りのパンが自動的に出てきて、チョルバでパンをすくうのが自然な食べ方。
スプーンよりパンで食べる人もいるくらいです。
「病気のときの定番」でもある
トルコでは「お腹が弱っている」「風邪をひいた」などのとき、必ず作るのがメルジメッキ・チョルバスです。
柔らかく煮た豆と野菜をピューレ状にすることで、栄養が取れて消化にもやさしい“お粥のような存在”です。
子どもの離乳食にも使われることがあります。
「辛さ」は地域で大きく違う
同じ「メルジメッキ・チョルバス」でも、見た目も味もまったく違います。
地方色が強いのも、トルコ料理の面白さです。
- 西部(イズミル、イスタンブール):あっさりで優しい味。
- 東南部(ガズィアンテプ、ディヤルバクル):唐辛子オイル(acı biber yağı)をたっぷりかけて真っ赤に!
「仕上げのレモン」は必須アイテム

メルジメッキ・チョルバスは、仕上げにレモンをギュッと絞るのが定番とされています。
そして、これは単なる風味づけだけではなく、
- レンズ豆の甘味を引き立てる
- 消化を助ける
- 油分を軽く感じさせる
といった実用的な意味もあります。
ちなみに、トルコでは「レモンをかけ忘れたら半分しか食べたことにならない」という冗談もあります。
メルジメッキ・チョルバスの作り方
材料(約4人分)
基本の材料:
- 赤レンズ豆(乾燥・皮なし) … 1カップ(約200g)
- 玉ねぎ … 1個(みじん切り)
- にんじん … 1本(薄切りまたは角切り)
- じゃがいも … 1個(角切り・なくても可)
- トマトペースト(salça) … 大さじ1(またはトマト1個分でも可)
- サラダ油またはオリーブオイル … 大さじ2
- バター … 大さじ1(仕上げ用)
- 水または野菜・チキンスープ … 約4〜5カップ(800〜1000ml)
- 塩 … 小さじ1
- 黒こしょう … 少々
- クミンパウダー … 小さじ1/2(お好みで)
仕上げ用:
- レモン … 1/2個(くし切りで添える)
- パプリカパウダーまたは唐辛子フレーク(Pul biber) … 少々
- バターまたはオリーブオイル … 大さじ1(香味オイル用)
作り方
- 炒める
鍋に油を熱し、みじん切りの玉ねぎを透明になるまで炒めます。
にんじんとじゃがいもを加えて軽く炒め、トマトペーストを加えてさらに1〜2分炒めます。 - 豆と水を加える
洗った赤レンズ豆を加え、全体を混ぜたら水(またはスープ)を注ぎます。
強火にして沸騰させ、アクを取り除きます。 - 煮込む
弱火にして約20〜25分ほど煮込みます。
レンズ豆と野菜が柔らかくなったらOKです。 - なめらかにする
火を止めて、ハンドブレンダー(またはミキサー)でなめらかにします。
とろみが強ければ水を少し加えて調整します。 - 味をととのえる
塩、黒こしょう、クミンを加えて味見します。 - 香味オイルを作る(仕上げ)
小鍋でバターを溶かし、パプリカパウダーまたは唐辛子フレークを加えて軽く泡立つまで温めます。
火を止めてスープに回しかけます。 - 仕上げ
器に盛り、レモンを添えて完成!
食べる直前にレモンを絞るのがトルコ流です。
まとめ
いかがでしたか?
今回はトルコの国民料理、メルジメッキ・チョルバスを紹介しました!
これからの寒い季節、身も心も温まる最高のスープを知って、味わってみてください♪
さて、このメルジメッキ・チョルバスを日本で食べれるお店についてです。
トルコの料理ということで、トルコ料理店でよく提供されているようです。
ただし絶対にあるということはないでしょうから、事前にメニューであるのかを確認しておくといいでしょう。
また、今回もレシピを乗せています。
現地では朝にも食べられるということで、比較的簡単に作れるものと思います!
また、赤レンズ豆もスーパーなどで入手することができるようなので安心です!
ぜひ、挑戦してみてください♪
最後までご覧いただきありがとうございました!
よければ他の記事を見ていってください!

コメント