トーはどんな料理?起源から作り方まで解説!【ブルキナファソ料理】

皆さんはトーという料理を知っていますか?

アルファベットではTôと書き、これまでにない珍しさがありますね。

では一体どんな料理なのでしょうか?

今回はこのトーについて掘り下げていこうと思います!

ぜひ最後までお楽しみください!

目次

トーとは

トー(Tô)は、西アフリカのサヘル地域を中心に食べられている伝統的な練り粥(ポリッジ)状の主食料理です。

トー(Tô)は、西アフリカのサヘル地域を中心に食べられている伝統的な練り粥(ポリッジ)状の主食料理です。

“Saglè” や “Pâte”(仏語で“練ったもの”の意味)と呼ばれることもあります。

トー(Tô)はもともとモシ語(Mòoré)で練る・混ぜる・こねた食べ物という意味を持っています。

そのため、言葉自体が練ってこねた状態を表しています。

フランス植民地時代にフランス語へと置き換えられる際、トーの発音に近いTôと書かれるようになりました。

トーは穀物の粉を水で練り上げ、冷やして完成させます。

日本の「ういろう」や「団子」に少し似ていますが、より柔らかく、食事の主役として位置づけられています。

ちぎってソースにつけて食べるのが一般的で、トー自体はあまり味がなく穏やかで中立的な味です。

素材の穀物由来の香りともっちりとした柔らかさは心地よいバランスです。

決してソースの味に飲まれることはなく、かといってソースを潰してしまうこともない。

ソースと二人三脚で引き出しあうところがこの料理の魅力です。

トーの歴史

トーの歴史

その起源は農耕文化が確立される時代までさかのぼります。

トーの生まれたサヘル地帯は、雨季と乾季の差が非常に大きく、年間降水量も少ない地域です。

そのため、耐乾性のある穀物を主食とする文化が築かれます。

そして穀物を粉にして保存・加工しやすくするという知恵が生まれるとともに、水と過熱して練るという技術も地域で定着していきました。

その結果、ミレット(雑穀)を使用した「練り粥/団子化食品」が主食形態として発展することになります。

その後、トーは農村共同体・家族単位の日常食として、また地域の祝祭・儀式食として定着します。

起源として「この国でこの名前で始まった」という明確な文献は乏しいものの、地域的に複数民族・言語圏にまたがる主食形態だと考えられています。

トーの豆知識・面白い話

「トー」は“食べ物”

ブルキナファソのモシ族の言葉では、「トー(Tô)」という言葉自体が「食べ物」という意味で使われることがあります。

つまり「トーを食べる」と言うことは、文字通り「食事をする」と同じニュアンスになるのです。

王族の食卓にも

トーは庶民の食べ物と思われがちですが、ブルキナファソやマリの一部地域では、王族や儀式の際の正式な料理としても出されることがあります。

トーは庶民の食べ物と思われがちですが、ブルキナファソやマリの一部地域では、王族や儀式の際の正式な料理としても出されることがあります。

特に特別なソース(グラウンドナッツやオクラのソース)を添えることで、格式ある料理に格上げされるそうです。

トーは“素手で食べる”

トーはフォークやスプーンを使わず、右手で一口分をちぎって、ソースをつけて食べるのが伝統的なスタイルです。

食べる際には手のひらで丸め、親指でくぼみを作ってソースをすくうようにして口へ運びます。

この所作には「食への敬意」や「自然との一体感」が込められています。

「トーの日」

ブルキナファソの一部地域では、市場の日(週に1回など)にトーを食べる習慣があり、その日は「トーの日」とも呼ばれています。

家族や友人が集まり、トーを囲んで交流する日として大切にされています。

地域ごとの穀物

地域ごとの穀物
  • マリ北部・ニジェール: 主にミレット(雑穀)やソルガム
  • ブルキナファソ・マリ南部: とうもろこし粉
  • ガーナ北部: 「TZ(Tuo Zaafi)」と呼ばれ、トーの親戚のような存在

同じ「トー」でも地域ごとに使う穀物やソースが異なり、その土地の風土と文化を映す料理でもあります。

栄養価の高さにも注目

トーは炭水化物源としてだけでなく、使用するソルガムやミレットには鉄分や食物繊維が豊富。

ソースにピーナッツやオクラを使うことで、たんぱく質やビタミンも補える、非常にバランスのよい伝統食です。

国連食糧農業機関(FAO)も、地域の栄養改善における伝統食の価値として評価しています。

トーの作り方

材料(4人分)

  • とうもろこし粉(またはソルガム粉)…計量カップ(200ml)2カップ
  • 水…約4〜5カップ
  • 塩…少々

作り方

  1. 下ゆで用の液を作る
    鍋に3カップほどの水を入れて火にかけ、塩を少々加えます。
    沸騰したら、とうもろこし粉のうち約1/4カップを水で溶いて加え、軽く煮て「粥状」にします。これがトーのベースになります。
  2. 残りの粉を加える
    残りの粉を少しずつ加えながら、木べらで力強く練り上げます。焦げつかないように鍋底からしっかり混ぜるのがコツです。
  3. 固さを調整する
    生地が固くまとまってきたら、必要に応じて熱湯を少しずつ足して好みの固さに調整します。
    (現地では「もちもちで弾力がある程度」が理想)
  4. 仕上げる
    火を弱めて2〜3分蒸し、つやが出てきたら完成。
    ボウルに取り出し、表面を水でぬらしたスプーンで丸く形を整えます。

食べ方

トーは手でちぎり、オクラソースやピーナッツソースをたっぷり絡めて食べます。
現地では家族や友人で大皿を囲み、右手だけを使って食べるのが一般的です。

ソースの作り方

トーはソースにつけて食べるのが伝統とされています。

なので今回は一般的とされているソースを二つ作り方を解説します。

一般的なソース①:オクラソース(Sauce Gombo)

材料

  • オクラ…200g(みじん切りまたはすりおろし)
  • トマト…2個(ざく切り)
  • 玉ねぎ…1個(みじん切り)
  • ニンニク…1片(みじん切り)
  • ピーナッツオイル(または植物油)…大さじ2
  • 塩・こしょう…少々
  • 水またはスープストック…2カップ
  • 魚や肉(乾燥魚・牛肉など、好みで)…適量

作り方

  1. 鍋に油を熱し、玉ねぎ・にんにくを炒めます。
  2. トマトを加えて煮崩し、肉や乾燥魚を入れて軽く煮込みます。
  3. 水またはスープを加え、10分ほど煮ます。
  4. オクラを加えてさらに10〜15分煮、全体がとろっとしたら塩で味を整えて完成。

一般的なソース②:ピーナッツソース(Sauce Arachide)

材料

  • ピーナッツペースト(無糖)…大さじ4
  • トマトペースト…大さじ2
  • 玉ねぎ…1個(みじん切り)
  • ニンニク…1片(みじん切り)
  • 唐辛子…少々(好みで)
  • 油…大さじ1
  • 水またはスープ…2カップ
  • 肉(鶏肉や牛肉)…200g(あらかじめ軽く炒めておく)
  • 塩・こしょう…少々

作り方

  1. 鍋に油を熱し、玉ねぎとにんにくを炒めます。
  2. トマトペーストを加えて数分炒め、香りを出します。
  3. ピーナッツペーストを少しずつ溶かしながら加え、水を入れてなめらかにします。
  4. 肉を加え、弱火で20〜30分ほど煮込みます。
  5. 塩・こしょうで味を整え、香ばしく濃厚なソースに仕上げます。

まとめ

いかがでしたか?

今回は西アフリカからトーをご紹介しました!

トーとはいったいどんな食べ物なのか、読んでくださった皆さんにお伝え出来たら幸いです。

トーはソースと一緒に食べると真の美味しさが引き出されます。

そしてソースの種類はとても多様で地域によっても様々なものがあります!

今回紹介した二つをはじめ、一番おいしいと感じるソースを探すのもきっと面白いと思いますね!

さて、このトーはどこで食べれるのか気になりませんか?

日本国内ではアフリカ料理店などで提供がされているそうです。

ただし、すべてのアフリカ料理店で提供されているわけではないようなので、来店する場合は確認が必要ですね。

また、お家でつくるというのも一つの手でしょう!

今回もレシピを乗せていますが、比較的簡単に作れる料理だと思います。

ぜひ、トーを作って、さまざまなソースで食べ比べを楽しんでみてください!

最後までご覧いただきありがとうございました!

よければ他の記事も見ていってください!

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