【ざっくり紹介!】プラムケーキと二つの歴史【イギリス菓子】

Germany

皆さんはプラムケーキを食べたことはありますか?

イギリスとドイツにルーツのあるこの料理は二つの異なった歴史を持ちます。

今回はそんなプラムケーキをこの記事ではご紹介します。

TasteTuneでは、世界各国の多彩な料理をご紹介するとともに、その料理を表現した音楽もお届けしています。
YouTubeやSpotifyなど各種サブスクリプションで配信中ですので、この記事とともにお楽しみください。

プラムケーキとは

プラムケーキは、ヨーロッパを中心に発展した伝統的な焼き菓子のひとつです。

プラムケーキ(Plum Cake)は、ヨーロッパを中心に発展した伝統的な焼き菓子のひとつです。

この焼き菓子のメインともいえるプラムとはすもものことです。

しかし、レーズンやドライフルーツ全般をプラムと呼んでいた時代の名残から実際にはプラムを使わないレシピも多数存在します。

とくにイギリスやインドではクリスマスや祝いの席に欠かせないケーキとなっています。

イギリス由来のレシピでは、洋酒に漬け込んだドライフルーツを生地にたっぷり混ぜ込んで焼き上げるため、濃厚で日持ちが良いのが魅力です。

一方、ドイツや他のヨーロッパ圏では、生のプラムを使ったフルーツケーキを「プラムケーキ」と呼ぶこともあります。

まとめると、

イギリス・インド:ドライフルーツたっぷりのリッチなフルーツケーキ

ドイツ・中欧:生のプラムを使ったフルーツタルトやケーキ

の二つの系統が存在します。

どちらも行事や伝統と結びつき、長い歴史を持つ菓子として世界中で親しまれています。

TasteTune「Plum Cake」

皆さん、Tastetuneの音楽「Plum Cake」はお聞きになりましたか?

この音楽はプラムケーキからインスピレーションを得て、暖炉のそばで過ごす冬の夜や、家族との祝祭を思わせる、優雅で甘美な雰囲気を音で表現した音楽作品です。

シナモンやクローブの温かい香りが漂うような、甘さと記憶に満ちた、伝統と時間の優しいワルツが、聴く者をプラムケーキの世界へと誘うような世界を表現していますのでぜひ聴いてみてください!

以下ではこの音楽作品に込められた思いや表現、工夫をご紹介します。

熟した甘さとスパイスの香り:音で感じる味わい

この楽曲の中心にあるのは、プラムケーキの豊かな風味を「音」で表現していることです。

熟したプラムの甘酸っぱさが生地に染み込み、深みのある味わいを生む様子は、豊かな響きとやわらかな音の重なりで描かれています。

そこに、シナモンやクローブといったスパイスの香りが加わり、温かみのある楽器の響きとして表現されることで、聴く者はまるで焼きたてのケーキの香りを感じ取れるような感覚になります。

冬の夜の情景と家族の温もり:心に寄り添う旋律

楽曲全体に流れるのは、優雅でどこか切なさを帯びたメロディです。

それは、暖炉の火のそばで過ごす冬の夜や、家族が集まって過ごす祝祭の温かい時間を思い起こさせます。

プラムケーキの甘さと共に蘇る思い出が、音楽の旋律に乗って心に沁みわたります。

この音楽は、プラムケーキが単なるデザートではなく、家族の絆や懐かしい記憶を象徴する存在であることを伝えているのです。

伝統と時間の物語:楽曲のムード

この作品全体から感じられるのは、「優雅さ」「繊細さ」「甘美さ」といった感情です。

プラムケーキの奥深い味わいと、それを囲む人々の温かな交流が、そのまま音楽に映し出されています。

そして、華やかさよりも、本質的な美しさや、心に深く響く温かさを追求した音楽は、聴く者にヨーロッパの文化や、家族と過ごす大切な時間を再び思い出させてくれます。

耳で味わうプラムケーキの真髄

このプラムケーキをテーマにした楽曲は、ただのBGMではありません。

プラムケーキが持つ「熟した甘さ」、スパイスの「温かな香り」、そして「懐かしい記憶」を音として体験できる芸術作品です。

ぜひ、この音の旅に身をゆだね、心ゆくまで「プラムケーキ」の世界を味わってください。

プラムケーキの歴史

前述したとおり、プラムはもともと干した果物全般を指す言葉でした。

そのため、当時のプラムケーキもレーズンやカラント、サルタナなどを使ったフルーツケーキを意味していました。

このように、プラムとつくのにそのものは使わないことがあるのには歴史的な背景がありました。

イギリスでの発展

イギリス・インド:ドライフルーツたっぷりのリッチなフルーツケーキ

イギリスでは、17~18世紀頃に砂糖などが手に入りやすくなったことで、クリスマス用の特別な菓子として「プラムケーキ」が定着しました。

洋酒に漬け込んだドライフルーツを生地に練り込み、濃厚で保存性の高いケーキとして発展します。

これが後の「クリスマスケーキ(イギリス式のフルーツケーキ)」のルーツです。

ドイツ・中欧での発展

ドイツ・中欧:生のプラムを使ったフルーツタルトやケーキ

ドイツやオーストリアなど中欧地域では、生のプラムを使ったケーキやタルトが盛んに作られるようになりました。

特に有名なのがドイツの「ツヴィーベルクーヘン(Zwetschgenkuchen/プラムケーキ)」で、パンのような発酵生地やクッキー生地にプラムを並べて焼いたものです。

こちらは秋の果物としてのプラムを生かした季節菓子で、イギリス式のドライフルーツケーキとは別系統で発展しています。

インドでの定着

イギリスの植民地時代に、イギリス人が持ち込んだクリスマスのプラムケーキ文化がインドに広がりました。

現在でも南インドのケララ州を中心に、「クリスマス=プラムケーキ」という習慣が根強く残っています。

インド版は、ラム酒やブランデーに漬け込んだドライフルーツを使い、スパイスを効かせた濃厚な味わいが特徴です。

また、クリスマス商戦では定番のスイーツとなっています。

プラムケーキの作り方

プラムケーキは紹介した二つの系統にどちらが元祖かはありません。

強いて言えば、イギリス版がプラムケーキという名前の元祖。

そして、ドイツ・中欧版がプラムそのものを使ったケーキの元祖になります。

なので、この項目ではイギリス版、ドイツ・中欧版のどちらも紹介します。

気になったほうを作るもよし。

もしくは食べ比べをするもよし。

皆さんなりの楽しみ方で楽しんでください。

イギリス・インド系:ドライフルーツのプラムケーキ(クリスマス向け)

材料(18cm丸型1台分の目安)

  • ドライフルーツ(レーズン・カラント・オレンジピールなど)…300g
  • 洋酒(ラム酒やブランデー)…100ml
  • 無塩バター…150g
  • 砂糖(ブラウンシュガー推奨)…120g
  • 卵…3個
  • 薄力粉…150g
  • アーモンドパウダー…50g
  • ベーキングパウダー…小さじ1/2
  • シナモン、ナツメグ、クローブなどのスパイス…小さじ1
  • ナッツ(クルミやアーモンド)…50g

作り方

  1. フルーツの準備:はじめにドライフルーツを刻み、洋酒に最低1晩、可能なら数日〜数週間漬け込む。
  2. 下準備:オーブンを160℃に予熱。型にオーブンシートを敷く。
  3. 生地を作る
    • ボウルにバターと砂糖を入れてクリーム状になるまで泡立てる。
    • 卵を1個ずつ加え、その都度よく混ぜる。
    • 薄力粉・ベーキングパウダー・スパイスをふるい入れ、アーモンドパウダーも加えて混ぜる。
  4. 具材を混ぜる:漬け込んだドライフルーツと刻んだナッツを加え、均一に混ぜる。
  5. 焼成:型に流し入れ、160℃で約60〜70分焼く。竹串を刺して生地が付いてこなければ焼き上がり。
  6. 仕上げ:完全に冷ましてから型から外す。好みにより再び洋酒を刷毛で塗り、ラップで包んで熟成させるとより風味が増す。

ドイツ系:生プラムのプラムケーキ(ツヴィーベルクーヘン風)

材料(天板1枚分の目安)

  • 生プラム(すももやプルーンでも可)…500g
  • 強力粉…250g
  • 牛乳…120ml
  • ドライイースト…7g
  • 砂糖…50g
  • 卵…1個
  • 無塩バター…50g
  • 塩…ひとつまみ
  • (お好みで)シナモンシュガー、クランブル(小麦粉・バター・砂糖を混ぜたそぼろ状の生地)

作り方

  1. イースト生地を作る
    • 牛乳を人肌に温め、イーストと砂糖の一部を加えて5分置く。
    • 強力粉・残りの砂糖・塩をボウルに入れ、溶かしバターと卵を加える。
    • イースト液を注ぎ、なめらかになるまでこねる。
  2. 発酵:次に生地を丸め、温かい場所で1時間ほど発酵させる(2倍に膨らむまで)。
  3. プラムの準備:プラムを半分に切って種を取り除く。
  4. 成形:発酵した生地を天板に広げ、切ったプラムを隙間なく並べる。
  5. 仕上げ:好みでシナモンシュガーやクランブルを散らす。
  6. 焼成:最後に180℃に予熱したオーブンで約30分焼く。表面がきつね色になったら完成。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はプラムケーキについてざっくりと紹介しました。

二つの系統と歴史を持つプラムケーキですが、どちらも特徴があり世界中で親しまれています。

これからの季節はプラムなどは旬の時期となるため、よりおいしいプラムケーキを味わえるでしょう。

日本でプラムケーキを常に取り扱っているお店はそう多くはないようですが、季節限定などで登場することは多いようです。

また、ケーキとともにタルトも提供されることが多いようなので、どちらも食べてその違いを楽しむのもありかもしれないですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

一人でも多くの方がこのスイーツに興味を持っていただけたら嬉しいです。

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