皆さんはウムアリというデザートを知っていますか?
エジプト発祥だとされるこのデザートは、今ではその独特の味わいで中東で広く親しまれるまでになりました。
エジプトでは定番デザートの一つでもあり、イスラム教の断食では欠かせない一品として存在しています。
本記事ではそんなウムアリの歴史や作り方について解説します!
ぜひ最後までご覧ください!
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ウムアリってどんな料理?

ウムアリ(Umm Ali/Om Ali)は中東地域で親しまれている伝統的なデザートです。
小さく切ったパンやパフペストリー(パイの一種)に牛乳と砂糖、クリーム、レーズンやナッツなどを乗せ焼き上げます。
そんなウムアリは全体的に甘さと牛乳の濃厚な味わいが特徴です。
パンやパフペストリーは牛乳を吸って柔らかく、ナッツが食感のアクセントになります。
また、シナモン、ローズウォーター、バニラ、カードモンなどを加えることもあり、中東らしい香り付け も魅力の一つです。
甘くてクリーミーなデザートで、ブレットプディングに似ているともいわれます。
名前のウムアリとはアラビア語で「アリのお母さん」という意味を持ちます。
由来に関しては様々な説があり、「ウム・アリ」という女性にちなんで名付けられた説やウム・アリが祝い事のためにこのデザートを作り、それが広まったという 民間伝承 もあります。
明確な記述はないですが、エジプト発祥であるという点は共通しています。
そのため、ウムアリはもともとはエジプトで楽しまれる伝統的なデザートだったのです。
しかし、今ではサウジアラビアやヨルダンなどの中東地域で広く食べられています。
また、ムスリムの祭事や特別な日にも振舞われています。
ウムアリの歴史

ウムアリの起源についてはいくつかあり、どれも物語として語り継がれてきました。
その中でも最も有名な説をご紹介します。
さかのぼること13世紀のエジプト。
この時期、エジプトのマムルーク初代君主であったイッザルディーン・アイバク(Izz al-Din Aybak)とその妻たちを巡る宮廷の権力闘争がありました。
伝説では、アイバクの最初の妻であった ウム・アリ が第二夫人と争い、勝利。
喜びを祝い、パン、ナッツ、ミルクなど手近な材料で甘いデザートを作らせて広く人々に配った とされています。
この料理が後に妻の名前を冠した「ウムアリ」となったという説です。
ただし、これらの物語には記述された資料などはなく 伝承 として語られています。
実際のウムアリに関する記述は19世紀頃のレシピだとされています。
その後、ウムアリはエジプト国内で広く愛され、やがて 他の中東諸地域にも伝播 しました。
特に湾岸諸国やヨルダンやイラクでは、地域ごとのアレンジを加えたバリエーションが存在します。
例として、ヨルダンやイラクでは「Khumaiaa(フマイヤ)」と呼ばれる似たデザートもあります。
ムスリムたちとウムアリ

また、宗教との結びつきもあります。
イスラム教徒ムスリムたちは、ラマダンという月に日の出から日没までの間「サワム(断食)」を行います。
サワム後に始めて食べる食事はイフタールと呼ばれ、家族や友人と達成感や結束を共有する食事となります。
このイフタールのデザートとして振舞われるのがウムアリです。
他には、結婚式や祝祭などお祝いの席にも好んで提供され、甘さと豊かな食感が“祝宴のシンボル”として定着しています。
ウムアリの雑学・面白エピソード
① “パン・プディング”との関係

西洋の「パン・プディング」に似ていますが、ウムアリは卵を使わず、パイ生地やフィロ生地(薄いパイ生地)を使う点 が特徴です。
そのため、単なる「中東版パン・プディング」ではなく、独自の食感を持つデザート として認識されています。
また、伝統的なウムアリはパイ生地やパン生地を用いるため、「上部がカリカリ・下部がクリーミー」という二重の食感 が楽しめます。
そのため、欧米のクラシックなパン・プディングにはない「手軽なのに複雑な味わい」も人気な理由の一つです。
② 巨大ウムアリの世界記録挑戦!
2013年、エジプトの観光促進イベントとして 全長15メートル以上・総重量7トン以上という巨大なウムアリ が調理されたことがあります。
450人以上のシェフが参加し、何千リットルものミルクや何百キロものナッツを使った巨大なウムアリが作られました。
残念ながらギネス記録に認定されなかったものの、完成した巨大ウムアリはチャリティとして配られるなど、ギネス世界記録認定を目指したイベント として話題になりました。
③ 文化的・現代的なアレンジ

伝統的なウムアリはナッツやレーズン入りですが、現代のレストランでは様々なアレンジが生まれています。
中東のモダン・カフェでは、「ウムアリの“兄弟・姉妹”デザート」として、“Abu Ali(アブ・アリ)”や“Ali Nafso”といった創作デザートが出ることもあります。
これらはウムアリのベースを踏襲しつつ、ハラワ(ごま菓子)やカラクティー(中東地域特有のスパイスのきいた甘くて濃厚なミルクティー)風味を加えた独自スタイルとして楽しむことができます。
他にはレストランなどで アイスクリームやホイップクリームをトッピング して提供するバージョンも存在します。
④ ウムアリが親しまれる理由
ウムアリが親しまれている理由は複数あり、それらがきれいに噛み合っているからだといえます。
本項目ではその理由についそれぞれ順に解説していきます。
1, 材料が「どこでも手に入りやすい」
ウムアリの基本材料はとても普遍的です。
昔からエジプト 、レバント、 アラビア半島など、どこでも入手することができたのです。
特にナッツや乳製品、小麦は中東交易圏の共通食材だったため、土地を移っても再現しやすいデザート だったのです。
2, 卵を使わない
ウムアリの大きな特徴は、卵を使わない焼きデザート であることです。
これが広がった理由として、
- 卵が貴重・高価だった時代でも作れた
- 食材制限のある状況(断食明けなど)でも胃にやさしい
- ハラール(ムスリムが遵守するべき基準)の観点で説明が不要(動物性ゼラチンなども使わないため)
が挙げられます。
特に ラマダンのイフタール には、
- 甘く
- 温かく
- 消化が比較的やさしい
という点が重宝されました。
3, 「祝う料理」というストーリー性
ウムアリには、史実かどうかは別として
- 宮廷の勝利
- 喜びを人々に分け与える
- 祝いの席で振る舞われた
という「祝宴のデザート」という物語が語り継がれています。
さらに、中東文化では甘いものが喜びや祝福、分け合う料理が善行や徳という価値観が強くあります。
そのため、結婚式・祝祭・来客時に出しやすい料理 として広まりました。
まとめ
いかがでしたか?
本記事では中東で人気の伝統デザート、ウムアリをご紹介しました!
このデザートは時代とともに宗教や現代文化と結びつきます。
そして今ではエジプトを超え中東で広く親しまれるようになりました。
複数の起源説があり謎もあるこの料理ですが、サクサクとクリーミー、濃厚な甘みという独特の魅力は他では味わえないでしょう。
ぜひ文化背景とともにこの料理を味わってみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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