皆さんはゼレシュク・ポロ・バ・モルグを知っていますか?
これは一体どこの国のどんな料理なのでしょうか?!
日本ではなかなか馴染みがないですがこの記事を読めばもう大丈夫。
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ゼレシュク・ポロ・バ・モルグとは

ゼレシュク・ポロ・バ・モルグ(Zereshk Polo ba Morgh)は、イラン全土で食べられる代表的な家庭料理の一つです。
名前の意味は
Zereshk = バルベリー(酸味のある小粒の赤い果実)
Polo = ライス料理(サフランや具材を混ぜたご飯)
Morgh = 鶏肉
で、「バルベリーライスと鶏肉」のことを指します。
バルベリーとはイランが主な産地の赤い小粒のベリーです。
ご飯や煮込み料理、サラダなどに加えることによって酸味を加えることができます。
ゼレシュク・ポロ・バ・モルグはこのバルベリーをはじめ、サフランやバターを加えたライスと鶏肉で構成されています。
サフランの香りやバターのコク、スパイスのきいた柔らかいチキンが特徴です。
そのため、甘味・酸味・香りの調和がとれた華やかな料理となっています。
また、日本人からすると「ケチャップライスとチキン」に似た味わいでもあります。
それにバルベリーやサフランが加わることで独特な味わいを引き出します。
ゼレシュク・ポロ・バ・モルグの歴史

ペルシャ料理ではザクロ、乾燥果物、酸味調味料が伝統的に使われてきました。
その“酸味素材を加える料理” の流れの一つとして、バルベリーを使った料理が登場し始めます。
その登場はサファヴィー朝(16~18世紀に繁栄したイランの王朝)まで遡るといわれています。
ただし、この登場時期については裏付ける信頼の高い学術文献は確認できないようです。
その後、ペルシャ宮廷料理の発展とともに、色どり・見た目・香りを重視する演出型の料理が発展します。
その中でバルベリーなどを使用したライス料理が定着していった可能性が指摘されています。
料理の伝統・普及の過程では、地域性やバリエーションを持つようになり、現代では多様なレシピが存在します。
ゼレシュク・ポロ・バ・モルグの雑学・面白い話
イランの「宝石ごはん」
バルベリーは鮮やかな赤色で、ご飯に散らすとまるでルビーのように見えるため、「ペルシャの宝石ごはん (Jewelled Rice)」 と呼ばれることもあります。
結婚式やお祝いの席で好まれるのは、この華やかさが理由のひとつです。
イランが世界シェアほぼ独占

バルベリーの生産は世界の95%以上をイランが占めています。
特に東部のホラーサーン州は一大産地で、地元では「赤いルビーの畑」とも呼ばれています。
そのため、この料理は「イランならではの国民食材」に支えられています
おもてなしの心
イラン料理はハーブやスパイスで複雑な香りを重ねるのが特徴ですが、バルベリーは特に酸味を担当します。
ゼレシュク・ポロ・バ・モルグでは、この酸味が口をさっぱりさせるため、来客時に出す料理として喜ばれるそうです。
日本の「梅干し入りおにぎり」が疲れを癒すのに似た感覚、とも例えられます。
家庭とレストランで違う“ごちそう感”

家庭では比較的シンプルに「バルベリー+サフランライス+鶏肉」で作ります。
一方で、レストランや祝いの場ではさらにピスタチオやアーモンドを散らし、見た目を豪華に演出します。
そのため「家庭料理でもあり、祝宴料理でもある」ちょっと不思議な立ち位置にいる料理です。
名前のちょっとした混乱
名前は「ゼレシュク・ポロ」とだけ呼ぶ場合はライス部分を指すことが多いです。
「ゼレシュク・ポロ・バ・モルグ」で「鶏肉付き」の意味になります。
イラン国内では「ゼレシュク・ポロ」と注文すると鶏肉がついてくることがあり、少し戸惑うこともあります。
色彩のコントラストが料理哲学
白いライス、黄金色のサフラン、真紅のバルベリー、そして赤みがかった鶏肉ソース。
ペルシャ料理は「目でも味わう」文化が強く、この料理はまさにその象徴とも言われます。
見た目の美しさが味と同じくらい重視されるところに、イラン料理の美意識が表れています。
ゼレシュク・ポロ・バ・モルグの作り方
材料(4〜6人分)
鶏肉(モルグ)部分
- 鶏もも肉(骨付きでも可) … 約750g
- 玉ねぎ … 中1個(半分に切る)
- ターメリック(粉末) … 小さじ½
- トマトペースト … 大さじ2
- レモン汁 … 大さじ2
- サフラン(粉またはスレッドを砕いたもの) … 小さじ¼(少量の熱湯で溶く)
- 塩・こしょう … 適量
- 油またはギー … 適量
ご飯(ポロ)部分
- バスマティ米(または長粒米) … 約2カップ(300〜400g)
- 塩 … 大さじ1(下ゆで用)
- ギーまたはバター … 大さじ2〜3
- サフラン液 … 少量(香りと色づけ用)
ゼレシュク(バルベリー)部分
- 乾燥バルベリー … 大さじ4〜5
- バターまたはギー … 大さじ1
- 砂糖 … 小さじ1〜2(酸味の調整用)
飾り(オプション)
- ピスタチオやアーモンドスライス … 適量
下準備
- サフランは少量の熱湯で溶き、液体サフランを作る。
- 米は洗って30分〜1時間浸水し、ざるにあげておく。
- バルベリーは軽く水洗いし、水気を切っておく。
作り方
1. 鶏肉を煮込む
- 鍋に油を熱し、鶏肉を両面こんがり焼く。
- 玉ねぎを加え、ターメリック、塩、こしょうを振り入れ、香りが立つまで炒める。
- 水をひたひたに加え、弱火で30〜40分ほど煮る。
- トマトペースト、レモン汁、サフラン液を加え、さらに10〜15分煮込み、ソースを濃くする。
2. ご飯を炊く
- 大鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を入れて米を7〜8分下ゆでする。米が外は柔らかく中はまだ芯が残る程度でOK。
- ざるにあげ、水で軽くすすぎ、水気を切る。
- 別鍋にバター(またはギー)を熱し、底に米を少し敷いてタディグ(おこげ)を作る準備をする。
- 残りの米を山状に盛り、ところどころにサフラン液を垂らす。
- 蓋に布巾を巻いて閉じ、弱火で30〜40分蒸らす。
3. バルベリーを調理する
- フライパンにバターを熱し、弱火でバルベリーを炒める。
- 砂糖を加えて軽く絡め、艶を出す。
※焦げやすいので短時間で仕上げること。
4. 盛り付け
- 蒸しあがったご飯を器に盛り、一部を取り分けてサフラン米やバルベリーを混ぜて彩りをつける。
- ご飯の上にバルベリーを散らし、鶏肉を添える。
- 鶏肉のソースを上からかけ、ナッツを飾って完成。
ポイント
- バルベリーは酸味が強いため、砂糖で調整すると食べやすい。
- タディグ(おこげ)はペルシャ料理の醍醐味。鍋底に油を敷いて弱火でじっくり。
- 鶏肉は先に焼き色をつけてから煮ると香ばしさが増す。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はイランの定番ライス料理のゼレシュク・ポロ・バ・モルグを紹介しました!
味はもちろん見た目も華やかで宝石とも呼ばれるこの料理の魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです。
この料理の歴史についてなんですが、文献なども少なく詳しくはお伝えすることが難しかったです。
もともとあった料理文化が国ならではの食材や宮廷料理の進化とともに生まれた料理(ざっくり)というとらえ方でいいと思います。
今後も今回のように歴史が詳しくわからない料理があるとは思いますが、そこはご了承いただけると幸いです。
さて、この料理を日本で食べれるお店についてですが、イラン料理店などで提供されているようです。
専門店などではより本場に近い味を楽しむことができると思います!
そして今回も例のごとくレシピを紹介させていただきました。
味を引き出すために重要ではありますが、似るなどの工程に少し時間がかかってしまいますね。
ただそこをさぼらずにじっくりと煮詰めればとてもおいしい料理ができるはず。
ぜひ時間があるときに挑戦してみてください。
この記事を読んだ人が少しでもこの料理に興味を持っていただけたら嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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