皆さんはヴァシロピタを知っていますか?
ギリシャの新年に親しまれているその菓子料理は慈愛の起源と独特な文化を持っています。
新年を祝うために、希望とともにスタートするために欠かせないこの菓子料理を本記事では解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
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ヴァシロピタってどんな料理?

ヴァシロピタ(Vasilopita)とは、ギリシャの新年を象徴する伝統的な菓子のことです。
名前は「聖ヴァシリオス(Agios Vasilios)」に由来し、幸運と祝福を分かち合うためのケーキ/パンという意味合いを持ちます。
この聖ヴァシリオスは、4世紀のキリスト教の聖人です。
貧しい人や孤児の援助や社会福祉に尽力し、「信仰+慈善」を体現した理想的な聖人とされています。
ではなぜ名前が聖ヴァシリオスに関係するのか?
それは彼の行った行動とヴァシロピタの特徴が関係しています。
そもそも、ヴァシロピタには大きく分けて二つの系統があります。
一つがバターや卵、砂糖を使った主流となるケーキタイプ。
もう一つがイースト発酵の甘いパンタイプ。
地域や家庭によっても異なりますが、主にヴァシロピタといえばこのどちらかです。
そしてこの二タイプには重要なことが共通しています。
それが中にコインが一枚隠されているということです。
この特徴が聖ヴァシリオスとの関係性に繋がります。
伝承では、聖ヴァシリオスは人々から不当に集められた財産を返すために、金貨を入れたパンを配ったという話があります。
この伝承がもととなり、ヴァシロピタの中にコインを入れるという習慣が生まれました。
現在はこのコインが当たった人は「その年は幸運が訪れる」とされ、新年に喜びを分かち合う象徴となりました。
ヴァシロピタの味・風味

ヴァシロピタにはケーキタイプとパンタイプの二つがありますが、どちらも共通して控えめな甘さがあります。
これにはヴァシロピタがデザートではなく祝い菓子であることも理由にあります。
柑橘系の爽やかな香りもあり、重たくなく何切れでも食べれる軽さも魅力の一つです。
それぞれのタイプ別に特徴を見てみましょう。
ケーキタイプではやや重みのある食感があり、パウンドケーキやスポンジケーキに近い特徴を持ちます。
そしてバターや卵のコクのある甘味やオレンジやマスティハの香りがはっきり感じられます。
デザート感がやや強く、紅茶にも相性抜群なタイプです。
パンタイプはふんわりもっちりとした食感が特徴で、朝食や軽食としても食べられます。
ほのかな甘さやオレンジとスパイスの香りなど、全体的な主張は控えめです。
しかし、その代わりに小麦と発酵の香りを感じることができます。
例えばミルクブレッドなどに近いといわれています。
ヴァシロピタの起源について

ヴァシロピタの起源として、先ほど紹介した聖ヴァシリオスの伝承を紹介しました。
しかし、研究者の中には「祝祭用のパンに運を託す」習慣がすでに存在していた可能性を指摘する人もいます。
古代ギリシャの収穫祭やローマ時代の新年祝祭では「幸運のパン」が配られていたそうです。
そのためヴァシロピタは、古代の民俗的慣習とキリスト教的意味づけが融合して成立した料理だと考えられます。
中世〜近代では、教会で祝福されるパンや家庭で分け合う新年菓子としてヴァシロピタが定着していきます。
この時代から、
- 家族全員が集まって切り分ける
- 神や家に捧げる分を最初に切る
- コインが当たった人を祝う
といった現在に近い儀礼的な形式が整っていきました。
もともとはパンタイプが主流でしたが、砂糖やバターが普及しケーキタイプのヴァシロピタも一般化していきます。
つまり一言で表したヴァシロピタは
「慈善の物語から生まれ、新年の希望を分かち合うために受け継がれてきた祝い菓子」
といえます。
ヴァシロピタの雑学・面白い話
① コインは「お金」じゃないこともある
本来は金貨を意味する フルーリ(φλουρί) が入ります。
しかし現代では
- 金色の飾りコイン
- 十字架や聖人が刻まれたメダル
- 教会で祝福された特製コイン
などが使われることもあります。
つまり「価値」より「祝福の象徴」 が重視されているということです。
② 切り分ける順番が細かく決まっている

家庭や地域によっては、次のような順で切ります。
- キリスト(神)
- 家
- 貧しい人・来客
- 家族(年長者から)
つまり、実際には存在しない相手のための一切れが必ず用意されるのです。
これにはギリシャらしい「共同体重視」の価値観が表れています。
③ 職場や学校でも本気でやる
ヴァシロピタは家庭だけでなく、
- 会社
- 官公庁
- 学校
- スポーツチーム
でも切り分けられます。
しかもコインが当たった人には、
- 現金
- 商品券
- 休暇
- 会社ロゴ入りグッズ
など、実利的な賞品が用意されることも。
つまり、新年会+くじ引きの役割も果たしていいるのです。
④ 実は似た文化が世界中にある

ヴァシロピタとよく比較される料理:
- フランス:ガレット・デ・ロワ
- スペイン:ロスコン・デ・レジェス
- ブルガリア:バニツァ(紙のおみくじ入り)
もともと「中に何かを入れて運を占う」文化は、ヨーロッパ全体に広がる共通要素です。
⑤ 食べる日は1月1日とは限らない
ヴァシロピタを食べるのは正式には1月1日ですが、
- 家族全員が集まれる日
- 1月中旬〜下旬
- 聖ヴァシリオスの礼拝後
など、かなり柔軟に行われます。
つまり大切なのは「日付」より「集まること」。
ヴァシロピタ(ケーキタイプ)の作り方
材料(18cm丸型・1台分)
- 無塩バター … 100g
- 砂糖 … 120g
- 卵 … 2個
- 牛乳 … 100ml
- 薄力粉 … 200g
- ベーキングパウダー … 小さじ2
- オレンジの皮(すりおろし) … 1個分
- バニラエッセンス … 少々
- 塩 … ひとつまみ
- 粉砂糖(仕上げ用) … 適量
- コイン(アルミホイルで包む) … 1枚
下準備
- オーブンを 170℃ に予熱
- 型にクッキングシートを敷く
- コインは必ず アルミホイルで包む
作り方
① バターと砂糖を混ぜる
室温に戻したバターをボウルに入れ、
砂糖を加えて白っぽくなるまでよく混ぜる。
② 卵を加える
卵を1個ずつ加え、その都度よく混ぜる。
分離しそうなら少量の粉を加えて調整。
③ 香りづけ
オレンジの皮、バニラ、塩を加えて混ぜる。
👉 ヴェシロピタらしい香りの決め手。
④ 粉類と牛乳を交互に
薄力粉+ベーキングパウダーをふるい入れ、
牛乳と交互に加えてゴムベラでさっくり混ぜる。
⑤ コインを入れる
生地を型に半分流し、
- コインを端の方にそっと埋める
- 残りの生地を流す
⑥ 焼成
170℃で 40〜45分。
竹串を刺して生地がつかなければ完成。
⑦ 仕上げ
冷めたら粉砂糖を振り、
年号(例:2026)を描くのが定番。
ヴァシロピタ(パンタイプ)の作り方
※ 発酵は1回だけ・工程少なめ
材料(作りやすい量)
- 強力粉:250g
- 砂糖:50g
- 塩:小さじ1/2
- ドライイースト:小さじ2
- 卵:1個
- 牛乳:120ml
- オリーブオイルまたはバター:40g
- オレンジの皮:少々
- コイン(包む):1枚
作り方(簡略版)
- 材料をすべてボウルで混ぜる
- 10分ほどこねる
- 室温で 1時間発酵(2倍)
- ガス抜きして丸め、コインを入れる
- 170℃で 30〜35分焼成
安全面の注意
- 必ずコインを包む
- 切る前に「コインが入っている」ことを伝える
- 子どもがいる場合は後入れ方式も可
まとめ
いかがでしたか?
本記事ではギリシャで新年に親しまれているヴァシロピタをご紹介しました。
ヴァシロピタは食べることもそうですが、「分け合うこと」「みんなで祝うこと」も大切な料理です。
新年に希望をもってスタートするため、みんなで集まって食べるのに欠かせません。
ぜひ皆さんもこの料理の背景を考えながらも、楽しく仲間や家族とこの料理を味わってみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
そして、よければ他の記事も見ていってください!

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