皆さん南米のアサードを知っていますか?
アサードはバーベキューなど様々な要素を含む文化的儀式です。
食べ物の名称ではなく、肉を焼く際などに行われる方式といったほうが正しいと思います。
今回はTasteTuneとしては珍しい、調理の過程に目を向けた記事になると思います!
ぜひ、最後までご覧ください。
また、TasteTuneでは世界の料理を紹介するとともに、それを表現した曲の公開を行っています♪
YouTubeやSpotifyなどで配信しておりますので、併せてお楽しみください!
アサードとは

アサード(Asado)とは、バーベキューの意味だけでなく、肉を焼く方法やその場の集まり・環境を含む文化的儀式でもあります。
肉を焼くことをはじめ、食事などを通して集まった人たちの交流が大切にされています。
地元で「アサドール(asador)」または「パリージェロ(parrillero)」と呼ばれる人が肉を焼く役割を担います。
炭火の管理、火加減、どの肉をどのタイミングで焼くかといったことを見極めます。
焼く道具としては「パリージャ(parrilla)」と呼ばれるグリル、または炭・薪を使った直火/炭火・薪火の火床が使われます。
火をおこす時間、炭や薪の種類、火から肉までの距離などが味に大きく影響します。
TasteTune「Asado」
皆さん、Tastetuneの音楽「Asado」はお聞きになりましたか?
この音楽はアサードからインスピレーションを得て、その大胆で祝祭的な雰囲気.
そして情熱的な味わいを音で表現した音楽作品です。
パチパチと燃える火の音とリズミカルなギターのストロークで始まり、情熱的なタンゴにインスパイアされたメロディへと徐々に盛り上がっていきます。
この音の世界は、聴く者をアルゼンチンの広大な空の下での集まりへと誘います。
ぜひ聴いてみてください!
以下ではこの音楽作品に込められた思いや表現、工夫をご紹介します。
炎のリズムと情熱の音
この楽曲の中心にあるのは、アサードを象徴する「火」と「情熱」。
パチパチと燃える炭火の音は軽やかな打楽器や効果音で表現され、まるでグリルの前に立っているような臨場感を与えます。
ギターの情熱的なリズムはアルゼンチンの心を映し出し、力強いベースはスモーキーな香りや肉の深い味わいを響かせます。
そこにトランペットの明るい音色が重なり、家族や仲間が集まる楽しさとワクワク感を一気に盛り上げます。
タンゴの魂と集いの喜び
曲はやがて、アルゼンチンを象徴するタンゴの情熱的な旋律へと広がっていきます。
それは、アサードが持つ「文化の誇り」と「分かち合う喜び」を音楽として描き出すもの。
力強くも踊り出したくなるビートは、肉がジュージューと焼ける音と重なり合い、食卓を囲む人々の笑顔を鮮やかに映し出します。
静かに火を起こす場面を思わせるヴァースから、歌い踊る祝祭のコーラスへと移り変わる構成は、まさにアサードそのものの流れを表しています。
祝祭と温もりがあふれる雰囲気
この楽曲全体に流れるのは、「生き生きとした喜び」「祝祭の華やかさ」「抗えない温かさ」。
それはアサードを囲む人々の笑い声や、グラスを交わす音、心を通わせるひとときをそのまま音にしたような感覚です。
伝統と現代の活力が融合した音楽は、聴く者を深く包み込み、アルゼンチンの文化が持つ豊かさと情熱を体感させてくれます。
耳で味わうアサードの世界
このアサードをテーマにした楽曲は、ただのBGMではありません。
それは「大胆さ」、煙の中に漂う「香ばしさ」、そして「祝祭的な喜び」をすべて音に込めた体験そのもの。
耳を澄ませば、きっとあなたもアルゼンチンの夕暮れの庭先に立ち、人々と笑い合いながらアサードを楽しんでいる気分になれるでしょう。
ぜひ、この音楽の旅に身をゆだね、心ゆくまで「アサード」の世界をご堪能ください。
アサードと食材

アサードでは様々な食材が使用されます。
肉類
- 牛肉
骨付きやステーキをはじめ、野菜やチーズを詰めたものも使用します。 - 豚肉
リブや肩、ベーコンをはじめ、豚のソーセージもあります。 - 鶏肉
もも肉や手羽をメインに、丸ごとグリルもあります。 - ソーセージ類
生ソーセージやブラッドソーセージを使用します。
主に前菜としてふるまわれます。 - 内臓(Achuras アチューラス)
小腸や肝臓、ハツや心臓が味わわれます。
野菜類(サイド・一緒に焼くもの)
- ピーマン(パプリカ)
- 玉ねぎ(丸ごとアルミホイルに包んで蒸し焼きにします)
- なす
- ジャガイモ(ホイル焼き)
- トウモロコシ
- ズッキーニ
その他
- プロボレータ(Provoleta)
厚切りのプロボローネチーズを鉄板や小皿で焼いたものです。ハーブ(オレガノなど)をかけて食べる定番前菜。 - パン
焼いた肉やチョリソを挟んで「チョリパン」にします。
風味と食感

アサードでは、炭や薪を使い、落ち着いた均一な火力に調整して調理します。
基本は、肉をじっくりと低〜中火で焼き上げることです。
こうすることで、燻された木の香りや炭火ならではの香ばしさがお肉に染み込みます。
また、外側には香ばしい焼き色がつき、中はジューシーに仕上がります。
特に骨付き肉は、噛み応えと脂の甘みの程よいバランスが魅力です。
脂肪の層がある部位は、火で脂が溶けて肉汁があふれ出し、骨まわりには旨味が凝縮されます。
一方で、部位によっては肉繊維が太く、しっかりした歯ごたえを楽しめるものもあります。
味付けは塩だけで仕上げることが多く、肉本来の旨味を存分に味わえるのが特徴です。
アサードの歴史

アサードは、アルゼンチンやウルグアイで愛されている伝統的なバーベキュー料理です。
その起源は16世紀、スペイン人が牛を南米へ持ち込んだことに始まります。
大草原「パンパ」で放牧された牛はやがて食文化の中心となり、肉を楽しむスタイルが広まりました。
17〜18世紀には、牛を追って生活していたガウチョ(南米のカウボーイ)たちが、野外で肉を焼く習慣を築きます。
薪や炭を使い、シンプルに塩だけで味付けした牛肉をじっくり焼き上げる。
この豪快で素朴な調理法こそが、現在のアサードの原型となりました。
19世紀に入ると、鉄製の網「パリージャ」が広まり、家庭や都市部でもアサードを楽しむ文化が根づきます。
ヨーロッパからの移民の影響で、ソーセージや野菜などの食材も取り入れられ、料理の幅がさらに広がっていきました。
20世紀以降、アサードは単なる食事を超え、家族や友人が集まる特別な時間の中心として定着します。
週末の恒例行事や国民的イベントにも欠かせない存在となり、今日では人々の暮らしとアイデンティティを象徴する食文化として受け継がれています。
アサードの雑学・面白い話
国民的な「日常行事」
アルゼンチンやウルグアイでは、アサードは単なる料理ではなく「文化そのもの」とされています。
特に週末は多くの家庭でアサードが行われるため、煙があちこちから立ちのぼる風景が見られるほどです。
「アサドール」と呼ばれる焼き担当
アサードの場では、肉を焼く人を「アサドール」と呼びます。
この役割はとても重要で、焼き加減や順番を仕切るリーダー的存在。家族や友人から信頼される人が任されることが多いのだとか。
食べる順番にルールがある
アサードではまずソーセージやモルシージャ(血のソーセージ)、チョリソなどの前菜的な肉から始まり、次にリブやステーキ、最後に内臓系が出てくる、という流れがよく見られます。
宴の進行に合わせて食材が少しずつ登場するのが特徴です。
外交やスポーツとも関わりがある
サッカーの試合後にチーム全員でアサードを囲むことはよくある習慣です。
また、海外からのゲストをもてなす際にもアサードが振る舞われることが多く、「国民的おもてなし料理」としても知られています。
アルゼンチンの「非公式な国民食」
アルゼンチンでは、政府や観光局の公式な発表ではないものの、アサードは事実上「国民食」とみなされています。
観光案内のパンフレットでも必ず紹介されるほど、国を代表する料理として扱われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は南米の文化であるアサードを紹介しました。
いつものTasteTuneとは違った切り口の記事でしたが楽しめましたか?
アサードのメインはバーベキューでしたが、今週のお休みにいかがでしょうか!
家族や友達との楽しい時間を過ごせることは間違いありません!
バーベキューでなくともお家でのご飯でも会話を弾ませればそれはアサードの根底にあるみんなとの時間を楽しむことができるでしょう。
この記事をきっかけにより楽しい食べ物ライフを送っていただけたらと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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