皆さんはニャマチョマを知っていますか?
クリスマスといえばお肉ですが、ニャマチョマもお肉を使ったバーベキュー料理です。
この料理はクリスマスの食卓をさらに豪華にしてくれるような一品になるとお勧めできます!
クリスマス料理特集第二弾はニャマチョマをご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!
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ニャマチョマってどんな料理?

ニャマチョマとはなかなか聞きなじみのない名前ですね。
では、一体どんな料理なのでしょうか?
ずばり、ニャマチョマとはヤギ肉や牛肉を使ったバーベキュー料理の一つです。
ニャマチョマ(Nyama Choma)という名前がスワヒリ語で
- nyama=肉
- choma=焼く
を意味し、名前の通り炭火でじっくりと焼き上げる料理になります。
ケニアやタンザニアで親しまれており、ケニアでは国民食といわれるほど一般的です。
ではなぜクリスマス特集でこの料理を取り上げたか気になりますか?
理由はケニアをはじめとした東アフリカの文化に関係します。
もともと牧畜の生活が主流のケニア人は多くがキリスト教を信仰しています。
そのため、クリスマスは彼らにとって一年で最も贅沢な日という位置づけにあります。
そんな彼らのクリスマスは家族や仲間と集まって大人数で祝います。
「大人数で集まった際に料理が行き渡るようにするにはお肉の丸焼きが適している。」
こういった理由などから「良い肉を用意してみんなでごちそうを囲む」という文化が生まれました。
また、そもそもニャマチョマ自体が料理ではなくイベントだという見方もあります。
友人で集まるときやサッカー観戦、祝い事の場などで食べられることが多く、ある意味祝祭料理とも呼べる立ち位置で定着しています。
ニャマチョマの味・風味
味付けは非常にシンプルで、塩のみを使用することが特徴です。
炭火焼と塩によって、お肉本来の味を楽しむことがこの料理の醍醐味です。
先述したとおりヤギ肉と牛肉を使用し、それぞれで違ったテイストを楽しめます。
ヤギ肉は香りが強く、コクのある旨味が特徴です。
また、ヤギ肉本来の噛み応えによって、肉汁と旨味を噛みしめることができます。
一方で牛肉は非常にジューシーで、普段から口にするということもあり食べやすいのも魅力です。
例えば、付け合わせには以下の料理がよく登場します。
- ウガリ(Ugali):トウモロコシ粉の主食
- コチュンバリ(Kachumbari):玉ねぎ+トマトの爽やかなサラダ
- スクマウィキ(Sukuma Wiki):ケール炒め
- キリオ(Irio):マッシュポテト+豆+とうもろこしの混ぜ物
ソースを使用したりするよりも、素材の味と簡単な薬味で食べるスタイルが一般化されています。
ニャマチョマの歴史

ニャマチョマの起源は、東アフリカの放牧文化が関係しています。
東アフリカの牧畜民は、古くから家畜(ウシ・ヤギなど)を飼い、乳や肉、皮などを生活資源としていました。
そして彼らにとって肉は非常に貴重なものでした。
その貴重さゆえに、屠畜や調理は重要な儀式や共同生活の一部となっていきます。
また、牧畜民は放牧や水・餌を求めた移動や狩猟・家畜飼育が主な生活様式です。
定住農耕だけでなく移動した先での「肉と火を使った調理」が古くから存在したと考えられます。
これらの肉に対する価値観や生活様式による調理法が、今の家族や仲間と集まって肉を焼いて調理する現在のニャマチョマの形になったと考えられます。
現代では、ニャマチョマは単なる食事ではなく“友情・家族・共同体の象徴” として受け取られています。
集まって火を囲み、肉を焼き、分かち合うことで、人間関係やコミュニティの絆を深める。
これは古くからの牧畜民の慣習の延長です。
また、研究の中では「Nyama Choma Culture(ニャマチョマ文化)」という言葉が使われることがあります。
赤身肉の消費とアルコールを伴う社交を、社会的地位や豊かさの象徴とみなす傾向も指摘されています。
このように、ニャマチョマは過去の牧畜・部族の伝統を土台としながら、近代以降の都市化・市場化を通じて発展し、現代東アフリカの「国民食」「社交食」「文化的アイデンティティ」のひとつとなったのです。
ニャマチョマの豆知識・面白い話
「一番おいしいのは最初の一切れ」と信じられている

ニャマチョマは、焼き始めて最初に切り分けられる肉が
- 一番ジューシー
- 炭火の香りが最も良い
とされ、年長者や招待客に最初の一切れを渡すことがあります。
この行為には「敬意」や「もてなし」の意味合いも持っています。
フォークやナイフを使わないことも多い
本場では、特にカジュアルな場面では
- 手で持って
- 骨の周りをかじる
スタイルが普通です。
「手で食べたほうが美味しい」と言う人も多く、肉と向き合う“原始的な食べ方”が魅力とされています。
焼き時間が長いほど「良いニャマチョマ」

ニャマチョマは、注文してすぐ出てくる料理ではありません。
- 30分〜1時間待つ
- 友人と話しながら待つ
- ビールやソーダを飲む
この「待ち時間」も含めてがニャマチョマとしての体験ともいわれています。
また、早く出てくるニャマチョマを「手抜き」「ちゃんと焼いていない」と感じる人もいます。
「ニャマチョマに合う飲み物」はほぼ決まっている

本場では、ニャマチョマに合う定番は
- ビール(Tuskerなどの地元ビール)
- ソーダ(コーラやスプライト)
- まれにミルクティー(地方)
だとされています。
理由は脂が少なく、塩味と炭火の香りを流してくれるから。
ニャマチョマをワインと一緒に食べることはほとんどありません。
ヤギ肉派と牛肉派の“静かな論争”がある
ケニアではよくある話だそうです。
- ヤギ派
- 「本物のニャマチョマ」
- 「噛み応えと香りが違う」
- 牛派
- 「食べやすくて万人向け」
- 「量を食べるなら牛」
ただし、祝い事や特別な日=ヤギという認識はほぼ共通しています。
ニャマチョマの作り方(本場スタイル)
材料(3〜4人分)
- ヤギ肉(骨付きが理想)……1〜1.5kg
※牛肉でも可 - 塩……適量
- 炭(または炭火グリル)
※基本的に下味は塩のみです。
下準備
- 肉を大きめの塊に切る
- 小さく切らないのがポイント
- 骨付きの場合はそのまま使う
- 表面に軽く塩をふる
- 揉み込まず、表面にふる程度
- 焼く直前に塩をする人も多い
焼き方(最重要)
- 炭火をしっかり起こす
- 炎が出すぎない“熾火(おきび)”状態が理想
- 肉を網の上に置く
- 最初は強めの火で表面を焼き固める
- 火から少し離し、じっくり焼く
- 途中で何度も返す
- 焼き時間は30〜60分
- 焼きすぎないが、生焼けにも注意
- 中まで火が通ったら完成
- 表面:香ばしい
- 中:ややピンク〜しっかり火入れ(好み)
食べ方
- 大皿に盛り、切り分けながらみんなで食べる
- 手づかみ or ナイフのみ
- 付け合わせ:
- コチュンバリ(トマト+玉ねぎ+塩+レモン)
- ウガリ(あれば)
日本で作るためのアレンジ・工夫案
① 肉の代用案(現実的)
ヤギ肉は入手が難しいため、以下がおすすめです。
ラム(肩・モモ)
風味がヤギ肉に近く、入手しやすい点もお勧めできます。
マトン
本場のニャマチョマに最も近い風味を感じることができます。
牛スネ・肩ロース
噛み応えがあるという点などがヤギ肉と共通しています。
※脂が多い部分はなるべく避けて調理することがおすすめです。
② 家庭用加熱器具別アレンジ
● フライパン(最も手軽)
- 厚手のフライパンを使用
- 最初に強火で焼き色 → 弱火でじっくり
- 蓋をして蒸し焼きにすると火が通りやすい
仕上げに少し蓋を開けて水分を飛ばすとさらに良く仕上がります。
● 魚焼きグリル・オーブン
- 200℃前後で40〜50分
- 途中で裏返す
- 網の下にアルミホイルを敷くと後片付けが楽
表面に軽く油を塗ると乾燥防止に繋がります。
● ホットプレート(パーティー向け)
- 最初は高温 → 中温でじっくり
みんなで焼きながら食べることで、ニャマチョマの「社交性」を再現することができます。
③ 付け合わせの代替
ニャマチョマと一緒に食べられる付け合わせは以下のように代替できます。
- コチュンバリ →
トマト+新玉ねぎ+レモン+塩 - ウガリ →
白ごはん or ナン or シンプルなパン
④ 「ニャマチョマらしさ」を出す最大のコツ
- 肉を大きく切る
- 焼く時間を楽しむ
- 盛り付けは豪快に
- 取り分けて食べる
このポイントを抑えることで、よりニャマチョマらしく食べることができます。
ただし、ニャマチョマは味よりも食べ方・雰囲気に重きを置くことが多いです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は東アフリカで親しまれているニャマチョマをご紹介しました!
大人数のパーティーや祝い事にはもってこいの料理でしたね!
文化的に深い理由もありますが、何よりも仲間や家族と楽しく食べる時間が一番!
ぜひ今年のクリスマスにはニャマチョマを味わってみてください。
さて、今回も日本で再現するにはやや難しい場面があったため、日本での代替などを紹介しましたが、それもまた大変、もっと手軽に味わいたいという方もいるのではないでしょうか?
そんな方のために、ニャマチョマを提供している場を調べてきました。
結論としては、ケニア料理・東アフリカ料理を扱う専門店中心に提供されているようです。
ただし、お店自体が少なかったり期間限定での提供が多かったりするので、事前に確認してお店に行くことをお勧めします。
また、これらの専門店以外でも外国料理フェスなどでの出店もあったそうです。
気になる方はSNSやイベント情報をチェックすると発見しやすいです。
やや手間がありますが、それ以上に素晴らしい料理であることには間違いないので、気になった方はぜひ家族や仲間と探してみるのもいいかもしれません!
最後までご覧いただきありがとうございました。
今後もクリスマス料理をはじめ、さまざまな国の料理を紹介する記事を書いてまいります。
各種SNSをフォローしてお待ちいただけると幸いです。

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