皆さんはロピ・ビエハという料理を知っていますか?
この料理は主にキューバで親しまれている伝統料理です!
牛肉とトマトソースをメインに使ったソースの味わい深い風味が魅力です。
今回はそんなロパ・ビエハの歴史や作り方についてご紹介します!
ぜひ最後までお楽しみください!
ロパ・ビエハとは

ロパ・ビエハ(Ropa Vieja)はキューバの伝統料理です。
細かく裂いた牛肉とトマトソースを煮込み、白ご飯や黒豆の煮込み、揚げバナナなどと一緒に食べます。
全体的に中南米らしい陽気なスパイス感と、家庭的な優しい旨味を併せ持つ料理です
その風味は濃厚で、トマトソースベースの深みのあるコクと香ばしさが特徴です。
ロパ・ビエハはキューバを代表する料理ですが、カリブ海諸国やラテンアメリカでも広く親しまれています。
- スペイン・カナリア諸島:原型となる料理があり、ひよこ豆を入れます。
- プエルトリコ:トマトやオリーブを多く使い、酸味と強めの香草の香りがあります。
- ベネズエラ:似た料理として「カルネ・メチャーダ(Carne Mechada)」があります。
アレパと合わせて食べることも特徴です。
名前の由来はスペイン語で「古着」を意味する言葉からです。
細くほぐれた肉の見た目が古着の布切れのように見えることから名付けられました。
本場キューバでは、「日曜日の家庭料理」や「特別な日のごちそう」として位置づけられています。
ロパ・ビエハの歴史

この料理の原型はスペイン・イベリア半島に存在したユダヤ系セファルディ・ユダヤ人(Sephardic Jews)の料理習慣と関わりがあるとされています。
例えば、ユダヤ教では週に一度、休息と祈りのために過ごす特別な日「安息日(シャバット)」というものがあります。
この日はユダヤ教徒は仕事や火を使う行為などの「労働」を避け、家族と過ごしたり、礼拝を行ったりします。
食事もあらかじめ準備しておく必要があります。
そのため、前日に煮込み料理を作っておくという習慣が生まれました。
これがロパ・ビエハのような「長時間煮込み料理」の起源の一つと考えられています。
また、スペインのカナリア諸島では「コシード(cocido)」と呼ばれる煮込み料理の残り物をつかって、ロパ・ビエハに再度調理する文化があったともされています。
つまり、料理としての起源はスペイン、特にカナリア諸島が発祥の地の1つと考えられています。
ロパ・ビエハの豆知識と面白い話
不思議な伝説 ―「父親が服を煮た話」
ロパ・ビエハにはユダヤ系の民話が残っています。
昔、貧しい父親が空腹の家族に食べ物を用意できず、古い服を鍋で煮込みながら愛情を込めて祈ったところ、本物の肉の煮込みに変わったというお話です。
この話は信仰や愛情の象徴として語り継がれています。
この伝説が、「古い服(Ropa Vieja)」という料理名の起源になったという説もあります。
キューバでは国民食のひとつ
キューバではロパ・ビエハは「国を代表する料理」として知られています。
レストランでは定番メニューで、家庭でも特別な日に作られることが多いです。
牛肉が貴重だった時代には、代わりにヤギや豚肉で作られることもあったそうです。
スペイン・カナリア諸島では「別物」

スペインのカナリア諸島にも「ロパ・ビエハ」があり、そちらではひよこ豆やジャガイモ、鶏肉などを入れた煮込み料理。
名前は同じでも、味わいはキューバ版とかなり違います。
つまり、「ロパ・ビエハ」という名前はスペイン語圏で広く使われていますが、国ごとに中身が異なるのです。
世界の「ほぐし肉煮込み」との共通点

ロパ・ビエハは、世界のほかの「ほぐし肉煮込み料理」ともよく似ています。
例えば:
- ベネズエラのカルネ・メチャーダ(Carne Mechada)
- メキシコのバルバコア(Barbacoa)
- アメリカ南部のプルドビーフ(Pulled Beef)
いずれも「じっくり煮て繊維状に裂く」という共通の調理法で、文化の交流を感じられます。
ロパ・ビエハの日
実はアメリカやキューバ系コミュニティの間では、3月8日を「National Ropa Vieja Day」として祝う動きもあります。
これは正式な国際記念日ではありませんが、SNSなどで話題に上がることがあります。
ロパ・ビエハの作り方
材料(4人分)
〈牛肉の下煮用〉
- 牛バラ肉(または肩ロース)・・・500g
- 水・・・1L
- 玉ねぎ(1/2個・ざく切り)・・・1個分
- ニンニク・・・2片
- 塩・・・小さじ1
- ローリエ・・・1枚
〈煮込みソース〉
- オリーブオイル・・・大さじ2
- 玉ねぎ(薄切り)・・・1個
- ピーマン(赤・緑 各1個/細切り)・・・2個分
- ニンニク(みじん切り)・・・2片
- トマト缶(カットタイプ)・・・400g
- トマトペースト・・・大さじ1
- クミンパウダー・・・小さじ1
- パプリカパウダー・・・小さじ1
- オレガノ・・・小さじ1/2
- 塩・黒こしょう・・・適量
- 白ワイン(または水)・・・100ml
- オリーブ(スライス)・・・大さじ2(好みで)
- ピメント(赤ピーマンの酢漬け/彩り用)・・・少々
〈仕上げ〉
- パセリ(みじん切り)・・・適量
- 白ごはん・・・人数分
作り方
- 牛肉を下ゆでしてほぐす
牛肉を鍋に入れ、玉ねぎ・にんにく・ローリエ・塩を加えて1時間ほど煮込みます。
肉が柔らかくなったら取り出し、フォークなどで繊維に沿って細くほぐします。
ゆで汁は後で煮込みに使うので少し取っておきます。 - 野菜を炒める(ソフリートを作る)
フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎ・ピーマン・にんにくを炒めます。
玉ねぎがしんなりしたら、クミン・パプリカ・オレガノを加えて香りを立たせます。 - トマトソースで煮込む
トマト缶、トマトペースト、白ワイン、少量のゆで汁を加えて中火で10分ほど煮ます。 - 牛肉を戻して煮詰める
ほぐした牛肉をソースに加え、弱火で20〜30分ほど煮込みます。
水分が少なければゆで汁を足し、塩・こしょうで味を整えます。 - 仕上げ
最後にオリーブやピメントを加えて軽く混ぜ、皿に盛ります。
仕上げにパセリを散らし、白ごはんや黒豆、揚げバナナなどを添えます。
ポイント
- 肉は長時間煮ることでほろほろに。ほぐし方で食感が変わります。
- クミンやパプリカを焦がさないように炒めると、香りがより引き立ちます。
- トマトソースの濃度はお好みで調整してください(煮詰め具合で変わります)。
まとめ
いかがでしたか?
今回はキューバを中心に広く親しまれているロパ・ビエハをご紹介しました。
じっくりと煮込まれた牛肉から出る旨味とトマトソースのコク、スパイスの香りの調和とバランスはシンプルながらも深い味わいを楽しむことができます!
国や地域によって少しずつ異なるスタイルがあるのも、この料理の魅力のひとつでしたね!
さて、ロパ・ビエハは日本国内で食べることができるのか。
簡単に調べてみましたが、ラテン/キューバ料理店で提供されることがあるようです。
ただし、このジャンルの中でも比較的レア寄りで、お店によっては扱いがないかも。
事前に確認しておくとスマートに食べれるでしょう。
また、本記事でも例の如くレシピを紹介しています!
白ご飯との相性も良く家庭的で、日本人の舌にも合う料理だと思います。
ぜひお家でも楽しんでみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
よければほかの記事も見ていってください!


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