みなさんこんにちは!
今回はドイツ発祥の焼き菓子パン、プレッツェルをご紹介します。
歴史やトリビアを知ればあなたもとりこになること間違いなし!
ぜひ最後までご覧ください。
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プレッツェルとは

プレッツェルはヨーロッパ、とくにドイツ発祥の焼き菓子パンです。
独特なねじれた形と、香ばしい茶色の焼き色が特徴です。
プレッツェルの特徴ともいえる結び目の形は「腕を胸の前で交差させ祈る姿」を表しているとされます。
したがって、宗教的な意味合いが込められていますが、他にもリング状や棒状のものも存在します。
小麦の香りとほのかな塩味が楽しめる味わいが特徴で、ソフトタイプとハードタイプの二種類が存在します。
ソフトプレッツェルは「塩味の効いたパン」に近く、小麦の旨味が味わえます。
一方、ハードプレッツェルは「香ばしいクラッカー」のような感覚で、おやつやおつまみとして楽しむことができます。
場面によって様々な楽しみ方ができる、まさに万能パンだといえますね。
プレッツェルの歴史

プレッツェルの起源は6~7世紀ごろにさかのぼります。
イタリアや南フランスの修道院の祈るような形をした生地から生まれたとされています。
修道士は生地を腕を組んだ形で成形し、「pretiola(小さなご褒美)」と名付けたという説があります。
三つの穴は三位一体を象徴しているといわれています。
他にも「腕(little arms)」説では、ラテン語「bracellae(小さな腕)」からドイツ語の「Brezel(ブレッツェル)」の語源になったとされる説もあります
その後、とんで12世紀には、すでに南ドイツのパン職人組合の紋章にプレッツェルが描かれていました。
このことから、プレッツェルは職能の象徴として用いられていたことがわかります。
また、中世の文献や写本にもプレッツェルは登場し、宗教的な意味合いを持つ食べ物として定着していたことが伺えます。
18世紀以降、南ドイツやスイスからの移民によってプレッツェルがアメリカにもたらされます。
1861年にペンシルベニア州リッツィッツにて初の商業的ハードプレッツェル製造が始まり、産業的な展開が加速しました。
20世紀前半に大量生産できる機械が導入されたことで、プレッツェルは米国内でもポピュラーなスナックとなりました。
プレッツェルのトリビア
1. 世界で最も古い「スナックの絵」
12世紀に作られた修道女ヘルリンガルトの写本 『Hortus Deliciarum(悦楽の園)』 には、プレッツェルのような形のパンが描かれています。
これは「スナック食品の最古の記録の一つ」と言われています。
当時は修道院では断食や宗教儀式に関連してパンを食べる習慣があり、プレッツェルは宗教的象徴(祈りや三位一体)を込めた食べ物だったのです。
2. 結婚式とプレッツェル
スイスやドイツの一部地域では、17世紀ごろから結婚式で「新郎新婦が1つのプレッツェルを一緒に食べる」風習がありました。
これは「二人の結びつき」を象徴し、繁栄と幸福を願う儀式でした。
また、プレッツェルを割って「願いを込める」という風習もあり、これが「ウィッシュボーン」(鳥の骨を割るアメリカの習慣)と似ているといわれています。
3. ウィーンを救ったプレッツェル職人
1529年の第一次ウィーン包囲の際、パン職人(修道士とも言われる)が地下から聞こえるオスマン軍の掘削音を察知しました。
その報告により都市は救われたと伝説になっています。
このような功績から、ウィーンのパン職人組合の紋章にはプレッツェルが描かれるようになったとされます。
史実か伝説かは議論がありますが、プレッツェルが「町を救ったパン」として語られているのは面白い逸話です。
4. 世界最大のプレッツェル
2008年、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアで、ギネス世界記録に認定された巨大プレッツェルが作られました。重さはなんと343kg、長さは数メートルに及ぶもので、特注のオーブンで焼かれたそうです。
ペンシルベニア州はドイツ移民(ペンシルベニア・ダッチ)の文化を色濃く残しており、プレッツェル作りの本場とされています。
5. プレッツェルの国際記念日(National Pretzel Day)
アメリカでは4月26日が「ナショナル・プレッツェル・デー」。
1983年にペンシルベニア州知事が制定し、その後アメリカ全土で知られるようになりました。
この日には「Auntie Anne’s」などのチェーン店で無料プレッツェル配布が行われたり、プレッツェルにちなんだイベントが開催されます。
プレッツェルが単なるスナックではなく「文化的アイコン」になっていることを示しています。
プレッツェルの作り方
ここでは基本的なソフトプレッツェルの作り方を、パン作り初心者でも挑戦できるように詳しく説明します。
材料(8個分の目安)
- 強力粉 … 500g
- ドライイースト … 7g(小さじ2と1/4)
- 砂糖 … 30g
- 塩 … 小さじ2
- ぬるま湯(40℃くらい) … 300ml
- 無塩バター … 30g(室温で柔らかくしておく)
仕上げ用
- 重曹 … 大さじ2(またはベーキングソーダ)
- 水 … 1.5リットル(重曹を溶かす)
- 岩塩 … 適量(仕上げ用)
- 卵黄(照り用) … 1個
作り方
1. 生地作り
- はじめにボウルに強力粉・砂糖・塩を入れ、混ぜる。
- つぎにぬるま湯にドライイーストを加え、2〜3分ほど泡立つのを確認する。
- 粉類のボウルにイースト液を加え、ひとまとまりになるまでこねる。
- 柔らかくしたバターを加え、さらに10分ほどこねてなめらかにする。
👉 生地をのばしたときに薄い膜が張るくらいになればOK(グルテンが形成された状態)。
2. 一次発酵
- つぎにボウルに生地を入れ、ラップをして約1時間(2倍の大きさになるまで)発酵させる。
3. 成形
- 発酵した生地を軽く押してガス抜きをし、8等分にする。
- 1本ずつ40〜50cmほどの長いロープ状に伸ばす。
- 両端をクロスさせ、中央に折り返して「結び目」形にする。
4. 下処理(重曹液につける)
- 鍋に水1.5Lを沸かし、重曹大さじ2を加える。
- 成形した生地を片面30秒ずつくぐらせて取り出す。
👉 この工程で独特の茶色い焼き色と風味が生まれる!
5. 焼成
- オーブンを220℃に予熱。
- つぎに重曹液にくぐらせた生地を天板に並べる。
- 表面に卵黄を塗り、岩塩を散らす。
- 最後に220℃で約12〜15分、表面が濃いきつね色になるまで焼く。
出来上がり
- 外はパリッと、中はもちもちのソフトプレッツェルに。
- チーズソース、マスタード、ガーリックバターと相性抜群。
- 甘めにしたい場合は、焼き上がりにシナモンシュガーをまぶすのもおすすめです。
作るときのコツ
- 重曹液は必ず沸騰させてから使う → これがないと「プレッツェル特有の風味・色」が出ない。
- 生地が扱いにくい場合は冷蔵庫で少し休ませると伸ばしやすい。
- 岩塩は「プレッツェルソルト」と呼ばれる大粒のものを使うと本格的。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はヨーロッパ、ドイツの焼き菓子パン「プレッツェル」を紹介しました。
作り方ではソフトプレッツェルを紹介しましたが、ご要望があればハードプレッツェルも追加します!
ぜひ感想やご要望などをコメントしてください。
プレッツェルもまた、歴史や宗教と結びついた食べ物でしたね!
結婚式などでも食べられることがありますが、家で食べても全然問題ありません。
日常の中でお菓子などとして親しんでいただくといいでしょう。
私はハードプレッツェルのおつまみとしての食べ方がすごく気になりました。
ドイツではやっぱりビールが一番!
いずれビールの記事などもつくっていけたらと思います。
ぜひ皆さんもプレッツェルを味わってみてください!
最後までありがとうございました!
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